北海道職能大で研究発表がありました。

共同研究先である北海道職業能力開発大学校で、卒業研究の発表会がありました。
今年度の共同研究テーマは3題。3人の学生さんが緊張の中発表をしてくれました。

はじめは、粒状のPCMを天井ダクトレス空調に適用した時の、省エネルギー効果。
空調停止時でも、吹き出し口温度を一定に保ち、ピークカットとピークシフトが可能になりました。
コンビニエンスストアなど、24時間空調の建築物への応用が期待される新規技術です。

全体

2題目はポリマーデシカント材を使った調湿建材の性能に関する研究です。
珪藻土などの無機材料よりも、吸放湿性能に優れた材料を左官材に調合。
繰り返し使用でも性能が変化しないことを、工学的に確認することができました。

デシカント

3題目はノルボルナジエン誘導体を適用した光エネルギーの貯蔵システムに関する研究です。
化学の領域ではすでに確認されている現象ですが、建築分野への応用研究は世界初となる研究。
光子エネルギーを暖房の循環液に直接貯蔵できる画期的なシステムで、繰り返し利用も可能。

太陽光利用の新たな技術で、冷めないお湯、使っても減らない灯油の開発、と言えるかもしれません。

NBD

今回の研究を実施したのは、専門課程2年生のみなさん。
未来の開発技術者を目指して、これからも研究開発に従事していただきたいと思います。

展示
 

☆室内気候研究所

HP http://iwall.jp/


エコナウォール実験棟(仙台)を暖房モードに変更しました。

仙台市に建設した「エコナウォール実証実験棟」を、自然室温モードから暖房モードへと切り替えました。
これまでは、潜熱蓄熱建材「エコナウォール」に期待される日中の過昇温や、朝の冷え込み防止効果を中心に自然室温測定を実施。
暖房モードへの切り替え以降は、暖房に必要なエネルギー量の削減効果について実証実験を行います。

外観

今回使用する暖房機は、家庭用電源で使用できる100V-300Wの小型ファン付き暖房装置です。
電熱式で熱容量が小さく、しかも小型ファン内蔵ですから、室内に少量の熱を素早く供給することができます。
超高断熱仕様の実験棟を暖房するには、暖房能力であると考えられます。

暖房機

暖房装置をコントロールするのが、一般的には熱帯魚の水槽温度管理をする定温度制御装置。
配線も簡単で、精度よく温度管理できることが、事前検討で確認されています。

サーモ

室温センサーは、部屋の中央部にある測定用ポールに固定。
1200mmの高さの空気温を測定して、設定室温以下になると暖房装置が稼働するシステムです。

センサー

また、暖房機の稼働状況と消費電力量の測定には、一般家庭でも普及してきた消費電力計を採用。
1ヶ月間のコンセント電力消費量を5分毎に記録することができる優れものです。
毎日「エコナウォール」を施工した部屋の省エネルギー効果がが実証されていますが、
春までには外気温や日射量と、省エネルギー量の関係が定量的に把握できると期待されています。

ロガー
 

☆室内気候研究所

HP http://iwall.jp/


K-house(千歳市)に蓄熱建材を施工しました。

JUGEMテーマ:住宅

 

 

2015年12月。年の瀬も迫った快晴の日。千歳市にあるK-houseに新規開発のエコナウォールを施工しました。
千歳市は冬季間の快晴率が高く、放射冷却で冷え込む日が続く地域です。
一方で、日射熱取得量も多いことから、冬季間のパッシブ蓄熱を評価する地域としては格好の都市です。

K外観

K-houseはパッシブ住宅に積極的に取り組む建設会社の社長さんの住宅で、ZEH(ゼロエネルギーハウス)に認定。
今回の左官工事は、エコナウォールの開発当初から協働で取り組んでいただいている村井左官工業さんが担当。
シーラやパテ、左官テープによる下地処理も入念にしてから、新エコナウォールの左官施工をしていただきました。

練り混ぜ

リビング上部は採光とパッシブ換気を担う吹き抜け空間の大壁面。
左官職人さんチーム4名で、大壁面を一気に塗りあげていきます。

左官1

今回採用した新エコナウォールには、調湿効果も期待できる珪藻土を調合。
コテを使った美しいテクスチャーも、職人さんの腕の見せ所になります。

テクスチャー

2016年1月からは、実暖房量と温湿度など室内環境も経時的に通年で測定。
潜熱蓄熱材のパッシブ効果を定量的に把握して行く予定にしています。

 

完成

 

☆室内気候研究所

HP http://iwall.jp/



e-プラスターのカラー化に成功しました。

JUGEMテーマ:住宅

 

石膏を主体にした従来の「e-プラスター」では、色ムラなどの問題からカラー化が困難でした。
昨年からこの課題を解決するために、仙台市に本社のある北洲さん、富士川建材工業さんの協力を頂きながら新規のe-プラスター開発を進めてきました。

最終的な実証試験は、北洲様本社敷地内に建設した実証実験棟で行いました。

外観

カラー化e-プラスターに調合したのは、富士川建材工業さんの液体顔料。
1袋のe-プラスターに対して1瓶の顔料を調合しますから、ねり材料ごとの色ムラはありません。

カラー

新e-プラスターには水と顔料を調合して、従来通りの湿式左官工法で施工していきます。

ミキサー

新型e-プラスターには新たに珪藻土も調合して、新たに調湿性能も付与。
安定した室温変動と調湿性材料の融合で、室内の湿度を快適湿度範囲に自動的に調整します。
室内の結露、カビなど冬場の健康問題も解決できることが期待されます。

左官

また、強い付着力となめらかな施工性で、表面の仕上がりも改良されています。

左官2

平滑仕上げだけでなく、様々なテクスチャーにも対応した新型e-プラスター。
ローラー仕上げの実験でも、その性能を十分に発揮できることが確認できました。

 

テクスチャー

 

☆室内気候研究所

HP http://iwall.jp/



ビジネスEXPOで、調湿建材を発表しました。

JUGEMテーマ:住宅

北海道職業能力開発大学校の三浦研究室のみなさんと、アクセス札幌で開催されたビジネスExpoに出展。
現在開発中のポリマーデシカント材を応用した「調湿左官建材」のプロトタイプを発表しました。
大学校のブース内に、調湿建材を左官施工した実験モジュールを設置。
内部にお湯を入れた容器を設置して、湿度変動が見ていただけるようにしました。

展示状況

新たに開発した、ポリマー・デシカント材を調合した「調湿内装左官仕上げ材」。
一般的な珪藻土よりも吸放湿性能に優れ、調湿建材認定基準の約3倍の吸湿性能を発揮します。

デシカント

比較対象として、一般的な住宅内装材であるビニールクロスを貼り付けたモジュールも用意。
モニュール内で水蒸気を発生させて、モジュール内部の湿度変動を記録しました。

ビニールクロス

下のグラフが、測定の結果を示しています。
吸放湿性能のないビニールクロスでは、室内の相対湿度が80%まで急上昇。
前面に設置した塩ビ板が、すぐに結露水で曇ってしまいます。

一方、デシカント建材を塗ったモジュール内部は、快適湿度の50%を維持。
安定した、快適湿度環境を実現することができています。

家庭には、炊事、入浴、洗濯乾燥、人間などから1日あたり20リットルもの水蒸気が放散されています。
デシカント建材は、室内の水蒸気を吸放湿しながら快適湿度を維持でき、ガラス面の結露やカビの発生から住宅を守ります。

 

データ

 

☆室内気候研究所

HP http://iwall.jp/

 




北海道の次世代パッシブハウスをドイツで考える その3

JUGEMテーマ:住宅

今回のドイツ訪問でお世話になったのは、世界一の化学メーカー BASF社さん。
創業150周年を迎えた、ドイツを代表するグローバル企業です。



今回の3番目のセッションは、次世代型の断熱材開発に関する情報交換です。
これまで誰も整形に成功していないと言われる無機材料シリカエアロジェルを
近い将来、無機断熱材の製品として市場に投入予定とのことです。



無機断熱材SLENTEXの厚さは現在検討中とのことですが、窓周りなどの断熱強化部材として
10mmから製造可能とのこと。熱伝導率は、19mW/m2/K以下と、とても高性能です。
北海道の在来工法の軸間断熱には、100mm品が必要かもしれませんね。



会議の後に、工場入口にあるビジターセンターとプラントの見学をさせていただきました。
有機モノマーやポリマーはもちろんのこと、顔料、香料、食品など、豊富な製品群を楽しく紹介。
本社工場の敷地は、3km × 7kmもあり、バスで一周しても1時間以上はかかります。
BASF社だけで、コンビナートが形成されていると言っても過言ではないかもしれません。



訪問の締めくくりは、16万本以上のワインを収蔵している自社ワインセラー。
創業当時の記憶を今に伝えるため、ワインセラーにも力を入れているとのこと。
世界中にいる全社員に、毎年ワインがプレゼントされるのだそうです。

 

 

☆室内気候研究所

HP http://iwall.jp/



北海道の次世代パッシブハウスをドイツで考える その2

JUGEMテーマ:住宅

パッシブハウスの設計について議論した後、欧州におけるPCM建材の現状についてヒアリングしました。
世界一の化学メーカーBASF社でマイクロカプセルPCM MICRONAL(R)を担当しているのは写真(左から)のお二人。
Mr. K.Culeさんと、Mr. M.Schmidtさんです。お二人とも、とっても真面目な研究者です。

PCM_meeting

MICRONALの技術情報を説明していただいた後に、いくつかの製品アプリケーションを紹介していただきました。
まずはじめにセメント板にPCMを30%調合した仕上げ材です。ブルーの塗装がとても綺麗ですね。
現在試作段階とのことでしたが、近い将来に欧州市場に投入されるようです。

セメント板

続いては、石膏にPCMを調合した下地材。仕上げの付着を考えて多孔材になっていますね。
そのまま仕上げ材として使用すれば、吸音壁にも使えそうな形状をしていますが。

石膏板1

続いては32mmの厚板PCM材。施工性を考えて端部は相欠きにしてあります。
母材の原料は石膏ですが、軽量な骨材を多用しているため比重は低いようです。

石膏板2

次は断熱材とPCM混合ボードを積層した仕上げ材料。断熱と蓄熱の施工が一度で完了。
フィニッシュがアルミ材なので、様々な塗装が可能になりそうです。

断熱複合板

これは初めて見ました。ハニカム構造のアルミ材の内部にPCM配合石膏を充填してあります。
事務所ビルで活用されているようです。

アルミ複層

欧州でのMICRONAL出荷量が非常に伸びているとの情報を得てドイツに来ましたが、
アプリケーションが豊富なので、メーカーが競い合う中で市場が成長しているのではないかと思います。
今後も定期的に情報交換をしながら、北海道のPCM市場を育ていく必要性を感じました。

 

☆室内気候研究所

HP http://iwall.jp/




北海道の次世代パッシブハウスをドイツで考える その1

JUGEMテーマ:住宅

世界一の化学品メーカーBASF社の建築コンサルとパッシブハウスに関する意見交換をしてきました。
今年の冬はかなり暖冬で、雪は少ないものの霧が出ています。外気温は10℃程度です。
この集合住宅は、BASF社が所有していた社員住宅をパッシブ住宅仕様に改修したもの。

「1リットルハウス」と名付けられています。
床面積1平方メートルあたりの年間冷暖房エネルギー消費量が、灯油換算で1リットル以下の住宅です。
自動車の省エネ性能のように、わかりやすい表示にしているようです。

1Lハウス

建築コンサルタントの Mr. T. Cunzと日本チームの情報交換。
エネルギー消費量がゼロになる住宅が、最良の住宅ではない。
地域の気候、伝統、建築様式とエネルギー計画の整合性が最も重要との結論になりました。

パッシブ打ち合わせ

ドイツのパッシブ住宅計画では、外付けの電動ブラインドが必須とのこと。
日本でも、日射調整の重要さは認識されているものの、まだ普及までには時間がかかりそうです。

外付けブラインド


「T-house」の環境測定を開始しました。

JUGEMテーマ:住宅

 新年あけましておめでとうございます。

本ブログも、本当に久しぶりの更新なりました。
2016年1月5日に、Netatmoを設置させていただき、環境測定を開始しました。
当日は吹雪で、屋根の上の雪も50cmオーバー。さすがは豪雪地帯、三笠市です。
武部邸外観
外壁GW300mm断熱、トリプルLow-Eガラス採用で超高断熱の住宅ですが、
これが施工をされた武部建設さんの標準スペックなのだそうです。
 
床下放熱器による集中暖房と、薪ストーブのハイブリッド暖房システム。
ストーブ使用時の室温上昇をPCMで抑制しながら、快適な暖房環境を実現。
こんなコンセプトで、エコナウォールを採用していただきました。
1F今の吹き抜け空間に120m2のエコナウォールSを施工。
今回は特別に融解温度が23℃に設計して、吸放熱効果を確認する予定です。
測定データは逐次このHPにアップしていきますのでご覧ください。

☆室内気候研究所

HP http://iwall.jp/


こもだ建総さんのモデル住宅が竣工間近です。

新規開発中の漆喰をベースとした潜熱蓄熱建材『e-プラスター10L』をご採用頂いた、
iWall研究会正会員の「こもだ建総さん(さいたま市)」のモデル住宅が、竣工間近
との連絡をいただきました。



こもだ建総さんでは、漆喰の塗り壁を標準で施工。
美しい左官仕上げの風合いはもとより、調湿性、防カビ性、空気清浄性など
お客様の健康と快適性を重視した「いえづくり」をいつも目指しています。



このモデル住宅では国産の杉材、檜材をふんだんに使用。床は30mmの杉板材。
丸と角のダブル大黒柱は、いずれも八寸と非常に大きな断面形状になっています。

今回の住宅では、「iWall研究会」が供給する潜熱蓄熱建材「e-プラスター」を採用。
調湿機能に加えて蓄熱性能を壁にもたせ、快適性と省エネルギー性能の向上を目指します。
 


壁の断熱に採用したのは、高性能の硬質ウレタンボード。
熱伝導率が、0.021 [W/m/K]と一般の断熱材の2/3程度と、高い断熱性能を発揮します。
菰田賢崇さんが、このモデル住宅で目指したのは超高断熱のゼロエネルギーハウス。
設計UA値は0.29 [W/m2/K]と、関東では非常に珍しい超高断熱仕様の住宅となっています。
 


左官下地には吸水性能の高い専用ラスボードを使用。継ぎ合わせ部分にも細心の注意を払い
左官材料の乾燥によるひび割れや、塗りムラなどを防止しています。
 


左官工事を担当するのは、この道50年の経験を持つベテランの職人さん。
漆喰左官工法のすべてを知り尽くした職人さんが、『e-プラスター10L』の
施工性を念入りに評価してくれました。
 
太陽熱換気装置「ソーラーウォーマー」を採用して、外気は太陽熱であらかじめ加熱してから
室内に導入しますから、換気時の寒さとは無縁です。内蔵された太陽光パネルでファン動力もゼロだそうです。

外構工事も終了間近で、今月末には現場見学会も開催されるようです。


iWall研究会 公式HP
http://iwall.jp
続きを読む >>


calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

e-プラスター

blog_image blog_image blog_image

selected entries

categories

archives

links

profile

書いた記事数:241 最後に更新した日:2018/11/19

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM