Lesson 35 加湿器が原因でレジオネラ菌に感染。死者も。

 

2018年2月1日付の新聞にショッキングな記事が掲載されました。

 

「大分県国東市の高齢者施設では加湿器が原因で昨年12月〜今年1月に、 

80〜90代の男性3人が「レジオネラ菌」に感染、うち1人が死亡した。

今冬、インフルエンザが猛威を振るい加湿器の需要も伸びる中、厚生労働省などは

「適切に手入れをしないと集団感染につながる」と注意を呼び掛けている。

(2018.12.1 西日本新聞、記事原文ママ)。

 

危険なのは加湿器内部の細菌繁殖だけでしょうか?

 

蒸気式加湿器は水を沸騰させ加湿しますので、細菌の発生リスクは比較的低いと考えられます。

しかし室内の水分量(相対湿度)に関係なく強制的に加湿を行いますので、

過加湿(過剰な水分放散)になりやすいという欠点があります。

 

そこで、ビニールクロスを施工した室内で蒸気式加湿器を運転して相対湿度の推移を観察してみました。

 

あっという間に室内は飽和状態。窓には結露が。

 

ビニールクロスを施工した室内では、加湿直後から相対湿度は急激に上昇を始めました。

1時間足らずで室内の空気は飽和状態に。ビニールクロスの防湿性能が仇となったようです。

 

もちろん窓面は全面結露の状態です。

ガラスやサッシにもびっしりと水滴がついているのが目視でも確認できました。

壁や天井、床も結露水で濡れてしまっているのでしょう。

おそらくこれが日本の住宅の冬の結露の現状を示しているのだと思います。

 

調湿建材の使用で、室内の相対湿度は安定。自然に吸放湿。

 

調湿建材を施工した室内でも同様の測定を実施してみました。

加湿器から放散された水蒸気は調湿建材に吸収され、相対湿度の変動が緩慢になりました。

壁が余分な水蒸気を吸い取って、貯蔵する役割を果たしてくれたのです。

 

また乾燥過程でも調湿建材に取り込まれた水蒸気が室内へと再放散されますから、

相対湿度の変動は緩やかかになります。

 

機械に頼りすぎない生活習慣で自分の健康を守ろう。

 

家電商品や設備の発達で、温度も湿度も空気の質も機械任せという住宅が増えてきました。

同時にスイッチを入れたら自動的に、しかも永久に環境調整をしてくれるものと信じ込んでいる

居住者も少なくないようです。

 

しかしどんな設備でもメンテナンスが不可欠であることを忘れてはいけません。

危険はすぐそこにあるのですから、無知だったでは済まされないのです。

 

加湿器のお手入れは、できるだけこまめに行いましょう。

 

 

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Lesson 34 健康寿命は、冬場の運動量できまる。

 

社会問題として捉えられることも少なくない、ご長寿化(高齢化)社会。

間近に迫るご長寿化の進展に備え、幸福な長寿社会に課題はないのでしょうか?

 

居間が寒いと、運動の機会が失われてしまう。

 

学生さんたちと話していて「寒い家」でまず思い浮かぶのは祖父母の家だそうです。

断熱性能の低い住宅の冬の情景を思い浮かべてみてください。石油ストーブがおかれた寒い居間。

コタツでじっとしてテレビを見ている、というライフスタイルは想像にかたくありません。

 

そしてその先にあるものは?

 

 

上の図は住宅の温熱環境と居住者の歩行数の関係を調査した結果です。

居間や寝室に10℃以上の温度差(日較差)があるだけで、運動量はかなり減少することがわかります。

居間が寒いと運動量は自然と減ってしまうのです。

 

室温の低下が運動量の低下を招き、ひいては健康寿命を短くすることもあるということです。

寒さを我慢して光熱費を浮かしても医療費や介護費の出費が増えるばかりで、人生は豊かになりません。

 

意外に多い、住宅での転倒事故死!

 

内閣府が発表した「平成29年版高齢者白書」によれば家庭内での事故死者数は交通事故の死者数を大きく上回っており、転倒、つまづき、転落による死亡事故が後を絶たないようです。

 

冬季間はどうしても運動不足になり、ご長寿さんの筋力も急激に低下してしまいます。

また運動感覚も次第に麻痺しがちになりますので、ちょっとした家事をしようとした時に事故に巻き込まれることがあるのです。

 

一度寝たきりになると、自立復帰はなかなかできない。

 

家庭内の転倒やつまづき事故で一度寝たきりになると、介護なしに生きていくことは難しい。

「寝たきり期間」が3年以上に及ぶ寝たきり者の数は全体の約6割にも上り、

10年以上寝たきり方も全体の2割を超えています。

 

介護職員の定着率がなかなか改善されず、家族の介護離職や老老介護が社会的な問題として顕在化する現在。

ご長寿さんの健康寿命が格差の原因にさえなろうとしてるのです。

 

 

健康寿命を左右する室内気候はいつ準備するのか?

 

前述のようにヒートショックによる脳血管疾患や心疾患のリスクは広く知られるようになってきました。

一方、冬場の運動不足に起因した転倒事故のリスク増大に関する認知はまだまだ一般的ではないようです。

 

どうやら健康的な温熱環境づくりを考える時には、ご長寿さんになった時の自分を想像することが大切なようです。

 

 

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Lesson 33 「結露」防止技術の最前線。

 

住宅の断熱・気密施工の不備や弱点を顕在化させる「結露」。

 

カビや不朽菌の発生など健康や建築にとって重大な被害を及ぼす原因にもなる「結露」を防止する技術開発の最前線をのぞいてみることにしましょう。

 

放熱器からの自然対流を科学して結露防止を理論的に最適化。

 

ガラスの工業的な生産技術の開発と鉄骨造建築の融合により「ガラス建築」が隆盛を極める現代。その原点とも言えるオランジェリーやクリスタルパレスの環境創生には、ラジエーターなど自然対流・放射型放熱器が当初から利用されてきました。欧州ではセントラルヒーティングの主役は今もラジエーターで、住宅はもとより、学校や病院、ホテルや空港などいたるところでラジエーターが活躍している様子を目にすることができます。

 

<写真1 国際会議場のロビーに設置されたラジエーター(ガラス下部)>

 

室内気候研究所はラジエーターなどの自然対流型放熱器の上部に生じた自由噴流に着目し、コールドドラフトや結露の防止機構を世界で初めて理論的に定式化してラジエーターの最適設計を可能にしました。1990年代以降、ガラスの天蓋空間いわゆる「アトリウム」が全国的に流行しましたが、現在でも多くのガラス建築でこの設計理論が活用されています。

 

 

研究室レベルでは何度も実験を繰り返し、その特徴を把握したつもりでいましたが、実際の工事現場で可視化実験を実施することも。結露防止効果の確認をとおして理論の検証作業を行ってきましたが、建築現場での実験は設計理論の開発者にとって最も緊張する場面です。

 

最新技術で建築のデザインが劇的に変化していく。

 

真空ガラスやシリカエアロゲル断熱材などの新規技術の導入によってガラスの断熱性能は飛躍的に向上し、ガラス建築をはじめとしたライトアーキテクチャーのデザインは劇的に変化することになるでしょう。

 

同様に住宅建築のデザインにとって核心的な意味を持つ開口部デザインにも、新たな波が押し寄せようとしています。「ウチ」と「ソト」をあるときは遮断し、あるときは連携させる開口部。新たな定義の構築を目指して、健康環境に貢献する開口部の研究開発を継続していきます。

 

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Lesson 32 「結露」するのが前提の建築でいいのか?

 

いまだに「結露」が克服できない日本建築の現状。

 

この時期になると毎年悩まされるのが窓周りの「結露」、という方も多いのではないでしょうか?DIYショップの店先にも結露害を軽減してくれるフィルムやシートが大量に陳列されているところを見ると、冬場に生じる窓ガラスの結露は未だに解決されたわけではないようです。

 

 

 

放置しておくと危険な「結露」。

 

建築で生じる結露には2種類あることをご存知でしょうか?

 

窓ガラスや外壁の表面で生じる「表面結露」と、壁や屋根などの躯体内で生じる「内部結露」です。タンスの裏や押入れの中など目に付きにくい部分を別にすれば、表面結露は発見することも容易ですから、清掃などの処置も可能です。しかし放置しておくと表面結露はカビや細菌の温床となりやすく、中には窓周りの仕上げ材料が剥離して見るも無残な姿になっている住宅もあるようです。

 

 

結露を防止するためには必要なことは?

 

  1)表面温度が低下するのを防ぐこと(断熱性能を強化すること)

  2)室内の水蒸気量を適切に維持し必要以上に水蒸気量を増加させないこと

 

以上の2点に気をつけると、結露は簡単に予防することができます。

 

最近、父の日のプレゼントとして流行している真空断熱タンブラーは容器の断熱性能を高め、タンブラー表面の温度を高める機構を持っています。また、ガラス窓の近くに放熱器など熱を放散する機器を設置することも大変有用な結露防止対策になります。

 

 

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Lesson 31 「不快でない」ということの価値。

 

「不快さ」とは何か?

 

人間の五感は生存の危機を自らに知らせるために存在し、そして発達してきました。冬の寒さは「寒いと感じている自分が存在している」という警鐘であり、このままその状態を放置すれば、体温が低下して死に至る可能性があることを示唆してくれているのです。同時に「寒さ」は「不快である」という感覚に直結しており、不快感の生起する環境条件には個人差がほとんどありません。

 

「不快さ」をそのままにしておくことの危険。

 

「不快」だと感じる空間をそのまま放置することは、住宅に存在する危険因子をそのまま放っておくということに他なりません。頻度は低いものの、たまに爆発して怪我を負う可能性のある炊飯器でご飯を炊く人はいないでしょう。今や交通事故死者よりも多くなったといわれる家庭内での溺死者数。住宅にある「不快さ」は、健康被害をもたらす直接的な原因ともなり得ます。

 

   

 

体内の温度分布(室温20℃、35℃の場合)

 

脳の温度が低下しそうになると抹消血流は抑制され、手足の温度が低下する。

脳は自分の生存のために、手足を簡単に切り捨てる!

 

「不快でない」ことは空間づくりの前提条件です。

 

自然の脅威から身を守り、安全と健康を担保してくれる住宅。

 

健康にとって危険がある「不快な家」を豪奢に飾り立てても意味はありません。家族が安心して暮らすことができる家。創造的な活動がしたくなる家。ストレスがたまらず、集中力を維持できる家。団欒を楽しみゆっくりと休息できる家。

「快適な家」をつくることは危険がないという幸せを獲得するという、必要最低限の欲求に応えることに過ぎないのではないでしょうか。

 

「快適」とは「不快でない」という意味に過ぎず、全部が解決されたとしても到達点はゼロなのですから。

 

今年も一年間、大変お世話になりました。

読者の皆様が幸せな新年を迎えられることを、心からお祈り申し上げます。

 

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Lesson 30 LOHASな室内気候のつくりかた。 その2

 

潜熱蓄熱建材は、住宅の【保・健・材】。

 

潜熱蓄熱を利用した機能性製品で最も身近に普及しているもの。それは食品を購入した際に受け取る「保冷剤」でしょう。家まで持ち帰る間の数時間、ケーキや生鮮食品の鮮度を維持してくれる優れた製品です。原料も大変安価な事から、再利用もできますが、使い捨てもよい材料という価値感が定着していますね。

 

 

それでは建築の室内側に施工する潜熱蓄熱建材に呼称をつけるとすれば?

 

それは室内の温熱環境を快適に保ってくれる『保健材』ということになるのではないでしょうか。

 

暑さや寒さという不快な感覚を未然に防止して、快適で健康的な環境を自然に維持してくれるからです。生活をする上で快適な温度範囲は、四季を問わず非常に狭い温度帯に限定されています。外気温や日射の影響で室温が過度に変化するのを抑え、空調機に頼りすぎることなく室内を快適に維持してくれる材料。それが『保健材』としての潜熱蓄熱建材です。

 

 

【潜熱蓄熱建材】の設計について、考えてみましょう。

 

『保健材』の設計を最適化するために必要なことは何でしょうか?

 

ケーキボックスに「保冷剤」をたくさん入れてもらっても、家に着く頃には全部溶けてしまった経験はありませんか?ケーキボックスの代わりに保温性の高い発泡スチロールの箱を使うと、保冷剤の効果も長持ちさせることができます。

潜熱蓄熱建材も室温を快適に維持する効果がありますが、住宅の断熱性能とも密接な関係がありそうです。

 

実証住宅で測定した省エネルギー率は平均50%!

 

潜熱蓄熱建材の性能を実証するため、実証住宅で省エネルギー性能を測定して集計したのが下図です。ここでは6軒の住宅で省エネルギー率を掲載しましたが、全体の平均値は50%にも達することが明らかになりました。

 

 

高断熱・高気密住宅で生じている過昇温による健康被害を抑えて快適な環境を維持してくれる『保健材』である潜熱蓄熱建材。

 

日射熱や夜間の冷涼な外気が持つ冷熱を上手に活用して、省エネルギーと環境インパクトの低減にも活躍してくれます。

 

 

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Lesson 29 LOHASな室内気候のつくりかた。 その1

LOHASな室内気候って?

 

【LOHAS】とは ”Lifestyles of Health and Sustainability”の頭文字をとった造語で、1990年代にアメリカで発祥した「健康と地球環境の持続可能性を大切にする暮らし方(価値観)」を意味します。「居住者の健康と省エネルギーを両立させる」という現代建築の重要課題を象徴するような言葉かもしれません。ここでは【LOHAS】な暮らしを支える室内気候のつくりかたについて考えてみたいと思います。

 

 

住宅が「穴の空いたバケツ」だったら?

 

住宅の熱収支をある程度正確に、しかも直感的に理解するために一つの物理モデルを導入することにしましょう。「下部に穴の開いたバケツ」を想像してみてください。このモデルではバケツへの水の出入りとバケツの中の水位が、住宅内での熱の振る舞いと温熱環境を表しています。

 

 

高断熱・高気密化は『バケツの穴をふさぐ作業』です。

 

バケツの底部には穴が空いていますので、穴の大きさと水の供給量によって水位(室温)は決まります。バケツの底がザルならば、どんなに大量の水を供給しても水は溜まりません。断熱性能の低い家や無断熱の家は底の抜けたバケツのようなものですから、任意の水位(室温)を維持することはできないのです。

 

「バケツの大きさ」がこれからの課題。

 

バケツの穴をできるだけ小さくして、少量の給水で高い水位(室温)を維持することが可能になった現在の高断熱・高気密住宅にも新たな課題があります。それはバケツの容量に原因があります。バケツの容量が小さいと晴天日に日射熱(水)が急激に供給された時、バケツの水位は思わぬ上昇をしてしまいます。断熱性能の低い家では生じることがなかった「意図しない急激な室温上昇(過昇温)」が生じて、相対湿度が過度に低下する原因になっているのです。

【潜熱蓄熱建材】がバケツの大きさを容易に拡大する。

 

物理学ではこのバケツの大きさのことを熱容量と呼んでいます。バケツへの水の供給量と排出量が常に同じであれば(定常状態)、バケツの容量に関係なく水位は一定に保たれます。しかし、外気温度や日射量は天候によって常に変化していますので、室温もこれに連れて変化してしまいます。バケツの容量が大きいと水の需給関係が一時的に崩れても、バケツがバッファーの役割をしますから、安定した水位(室温)を維持することができるのです。

 

潜熱蓄熱材は快適な室温範囲で生じる温度変化でも、融解と凝固を繰り返しながら多くの熱を蓄積することのできる材料です。最近では保温性の高い衣服や自動車のエアコン部品としても利用されている潜熱蓄熱材。レンガやコンクリートに比べて、少ない温度変化でも住宅の蓄熱性能を圧倒的に高めることができるという特徴があります。この潜熱蓄熱材を室内の仕上げ材料として施工することで、木造住宅の熱容量は容易に増大させることができます。潜熱蓄熱建材は『LOHAS』な暮らしをサポートできる建材なのです。

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Lesson 28 ウェルネス住宅を、家計から再評価してみよう。

 

省エネ住宅は、ウェルネス住宅になれるか?

 

これまで住宅におけるエネルギー利用のあり方について、いろいろと議論してきました。今回は子供たちやご長寿さん、障害のある方など、住環境の質による影響を受けやすい「環境弱者」の方々も安心して生活できる「健康維持・増進住宅(ウェルネス住宅)」について考えてみましょう。

 

ウエルネス住宅の設計指針を、家計から再構築してみましょう。

 

それでは住宅デザインの実務で居住者のウエルネスを考慮した設計をするために必要となる普遍的な価値について考えてみることにしましょう。

 

下の図は「iWall構法」を採用した住宅における家計収支を、床面積で原単位化して示したものです。光熱費は測定値、医療費・介護費、教育費は国民一人当たりの平均値から予測して示しました。また将来、二人のお子さんが巣立ちご夫婦二人で暮らすことを想定した将来家計の予測値も併せて示しました。

 

 

人づくり・働き方改革は、住宅の知的生産性の向上が基本です!

 

最後に家庭での知的創造性の向上に対する投資の必要性について考えてみましょう。幼児教育から大学での高等教育まで、すべて公立学校で教育を受ける場合の生涯教育費は1,000万円程度であり、すべて私立学校に通う場合では 2,000万円以上の費用がかかると言われています。原単位化したグラフを見ても、教育費は8.4 [千円/m2]と光熱費を大きく上回っています。

 

 

資源・エネルギーから健康・快適へ。

そして知的生産性の向上へと、投資先の変更が必要な時代です。

 

一方、AIやIoTの普及に伴ってテレワークなど在宅で就業している人口は年々増加しており、今後もこの傾向が強まっていくものと考えられます。毎日会社に出勤し、全従業員が共に生産活動を行う日はやがて終焉を迎えそうです。

 

明日の生産活動の糧として十分な休養を与えてくれる空間としてのみならず「学びたくなる家」「働きたくなる家」を創造していくことは、今後の住宅デザインを考える上で一つの大きなテーマになっていくことでしょう。

 

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Lesson 27 省エネルギー基準が求めるのは健康な住まい。

 

1970年代に起きた二度にわたるオイルショックを覚えていますか?

 

1973(昭和48)年10月に勃発した第四次中東戦争の影響を受け、石油輸出国機構(OPEC)加盟の産油6カ国は原油公示価格を即時21%引き上げるとともに、原油の減産を決定しました。いわゆる第一次オイルショックの始まりです。

 

さらに1978(昭和53)年のイラン革命により同国内の石油生産が中断し、イランから大量の原油を輸入していた日本では石油の需給が逼迫する事態となり、原油価格は高騰しました。これが第二次オイルショックですね。このころ、北海道では産学官が連携した「高断熱・高気密」住宅の研究開発がスタートします。またこれらの社会状況を契機として昭和55(1980)年には「エネルギーの使用合理化に関する法律」(通称、省エネ法)が制定されました。

 

冬暖かく、夏涼しい「快適住宅」の基礎は省エネ基準にある?

 

それでは住宅における省エネルギー規制の成立は、単にエネルギー使用量の抑制だけが目的だったのでしょうか?

図は現在5,000万戸以上もあると言われる日本の住宅ストックを、熱性能ごとの構成比率で分類して示しています。省エネ法が施行される前は、ほぼ全ての住宅が無断熱であったと考えられます。

 

昭和55年基準は外界気候との明確な区分を可能にするとともに、「熱的な室内」という概念を生じさせたという意味で、他の改定基準とは異なるマイルストーンとしての価値があると考えられます。

 

 

地域ごとに断熱性能が異なる理由は?

 

省エネ法では地域の気候区分に応じて断熱性能の下限値が定められています。それでは性能基準を策定するにあたり考慮された合理的な判断尺度とは、一体なんだったのでしょうか?

 

下図は2013(平成25)年10月に施行された、いわゆる新省エネ基準の気候区分をもとに、外気温と居住者の体感温度の関係を予測して示しています。

 

省エネ基準に適合した北海道の住宅では、部屋の中にいると外気温が−8℃になるまで寒くなってきたと感じることはない、ということを意味します。同様に南東北から北関東にかかる4地域では、外気温の低下により寒さを生起させる外気温は3℃となり、これらの温度は各地域の暖房に関する設計外気温に概ね一致していることがわかります。

 

 

 

省エネ基準は省資源よりも、快適・健康なくらしが目的です。

 

省エネ基準はその名の由来通り、石油ショックを契機とした省資源を目的とする建築の熱性能規制を意味していると考えられます。しかしその基準策定の過程において居住者の快適性に関する知見が法的整合性の基盤として考慮されたと言う事実は容易に推測できます。

 

卵が先か?それとも、鶏が先か?

 

健康で快適な生活を担保できる住空間の提供を確保すると、結果として省エネルギー・省資源にも資することになる。住空間創造の根底には健康維持という目的が脈々と継承され、高性能化の歩みへと帰納されていくのです。

 

 

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Lesson26 エネルギーについて考えてみよう。 その3

 

 

「環境ビジネス」を支える地球温暖化の「CO2主犯説」。

 

1997年12月に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議:COP3)でいわゆる京都議定書採択されてから、CO2の排出量削減を目標とした環境ビジネスが勃興し、隆盛を極めるようになってきました。

 

 

地球温暖化に起因した気候変動のCO2濃度主犯説は、科学的な異論が絶えないにもかかわらず、経済合理主義と強く結びつき環境ビジネスの理論的基盤となっています。これが次世代の人々の足かせにもなりかねないとの批判も根強くあるのは、世論の妥当なバランス感覚であろうとか思います。

 

地球環境を守り、平和な世界を実現しようとする理念に異を唱える人はいないと思います。一方で、単なる学説を真理であるかのように喧伝し、利用しようとする環境ビジネスの行き過ぎた進展は、地球の持続可能性を却って損なう可能性があります。現状のようにCO2排出削減という一つの目標が、全ての経済活動の判断基準として取り扱われることを大変危惧しているところです。

 

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