Lesson 24 エネルギーについて考えてみよう。 その1

美しい深緑の森林、どこまでも透き通ったオーシャンブルー。太陽の恵みと清浄な無尽蔵の水に育まれ、生命が横溢する私達の地球。人工衛星から送られてくる地球の画像は神秘に彩られ、深淵な生態系を支え続ける地球の絶対的な威厳を示しているかのようです。そこでは人間の活動は矮小化され、存在の痕跡を確信することもできません。地球の前では人間も無辜の乳飲み子のように、あまりにも無力で曖昧な存在に過ぎないことを改めて思い知らされます。

 

 

一方、夜の衛星画像はどうでしょう?漆黒の闇には無数の明かりが連鎖して浮かび上がり、人間の存在を誇示するかのように明滅しています。あくまでも静かな昼の表情とは比べようもないほど、人間の貪欲なまでの消費行動があからさまに顕在化し、我愛がとめどなく表出しているようにさえ見えます。

 

 

しかもエネルギー消費の証でもある灯りの密度は地域の人口に比例してしているわけではなく、経済活動の大小によって著しく偏在していることがわかります。北米の東岸、欧州地域、中東湾岸地域、南アジア、中国沿岸部そして日本。工業化が進み富が蓄積された地域では昼夜途切れることなく膨大な量のエネルギーが消費され、その背景では漆黒の宵闇が明けていくのを待ちわびる夥しい数の人々の暮らしがあることを忘れるわけにはいきません。

 

 

個の持続可能性を高めようとする本能と、人類全体としての持続可能性を高めるという理性の背反を解決できるか。エネルギー問題の本質はここに尽きると思います。

 

 

■記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/

 


北大の銀杏並木。

 

北大で開催された「建築環境フォーラム」に参加してきました。

テーマは「次世代環境建築の可能性」。

芝浦工大の秋元先生、日建設計の堀川さん、早稲田大学の田辺先生が講師で、最先端の研究成果を実務や政策に展開されてる様子を拝聴することができました。

 

さて室内気候研究所がなすべき仕事は?

 

台風一過の銀杏並木も、もうすぐ綺麗に色づいてくれる季節です。

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/

 

 


K-houseの 2016/17 年間データをまとめました。

2016年1月に竣工したK-house(千歳市)ですが、オーナー様が実際に生活を始められてから一年半が経過しました。竣工時から継続していた環境測定とエネルギー消費量の測定データを取りまとめましたので報告します。

 

 

上の図は竣工から約1年間の室温と外気温の変動を示しています。入居されたのは2016年3月中旬ですが、四季を通して快適な室内環境が創生されていることが確認できます。また、冬季間に一週間ほど暖房を停止した状態で外出された時にも最低室温は10℃程度に保たれ、平均外気温と比較すると15℃も室温が高く推移しています。

 

 

夏季の真夏日における室温変動を見ると冷房をつけなくても安定した室温が維持されており、高断熱+高蓄熱の効果が見て取れます。

 

 

夏季の除湿と暖房端境期の保温用途として、エアコンを効果的に利用されています。セントラルヒーティングの熱源はガスです。一次エネルギー使用量の実測値は設計一次エネ消費量の予測値よりも小さく、快適環境と省エネルギーが両立されていることが確認できました。

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/

 


日本建築学会(中国)に参加しました。

広島工業大学で開催された2017年度学術講演会に参加しました。

美しく整備された立派なキャンパスと施設に少々圧倒され気味です。さすが伝統ある私立大学です。

 

 

今回の発表は2017年4月にオープンした「北洲プレミアム・パッシブハウス(PPH)」のコンセプトと、竣工時点での環境測定がテーマです。BASF社のシリカエアロゲル断熱材" SLENTEX"をはじめ、開発段階にある多くの新規技術を盛り込んだ建築ですので、継続的な実証的な研究成果が期待されるところです。

 

 

広島で開催される学会ということもあり、原爆ドームの見学は欠かすことができませんね。

70年以上に亘って我々に科学技術の功罪を問いかける象徴ですが、技術者への戒めとしてこれからも長く保存されていくことでしょう。

 

 

学会の合間を縫って厳島神社も訪問。真夏の日差しが照りつける猛暑日で、日陰を見つけては休み休み参拝です。

 

 

学会の参加にはこんな楽しみも。

 

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/

 

 


Lesson 23 照明と良い睡眠、そして健康の関係は?

人間の新陳代謝が夜間に活性化するわけは?

 

紫外線から細胞内のDNAを保護しつつ傷ついた細胞の修復や再生を安全に行うため、私たちの体中では夜の間に新陳代謝が行われています。生体内での化学反応を制御する酵素や免疫細胞の生産・修復も、睡眠中に活性化すると言われています。

 

睡眠は昼間の活動で疲労した脳と肉体を休めるばかりでなく、生体の持続可能性を高め、物質として新しい自分へと生まれ変わるために不可欠な時間なのです。

 

メラトニン分泌のスケジュールに合わせた環境調整が必要。

 

メラトニンが分泌し始めるのは午後10頃ですから、これまでに睡眠の準備が整っている必要があります。また睡眠の導入には人間の深部体温(コア体温)が低下傾向にあることも欠かせません。就寝前にぬるめの湯に浸かり深部体温を十分にあげておくと、スムースに深い睡眠へと移行することができます。

 

また就寝までの時間帯には色温度が比較的低めの暖色系照明が効果的です。仕事を終えてから徐々に照明を暖色に調色して光量を抑え、自分が休息に向かっているというシグナルを脳に与えることで、睡眠導入への効果は一層高まります。

 

 

最近の住宅では調光・調色可能なLED照明への置き換えが進んでいます。また、欧州ではキャンドルや暖炉の灯りなど、自然な照明が文化として定着しています。

 

1日の始まりと終わりを知らせる朝陽や夕日の茜色。日中の太陽の眩いばかりの光量と夕暮れ時のぼんやりとした薄暗さ。

自然に習い、自然に生きる。人間の健康とはそんな生活の中で育まれていくのです。

 

 

■記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/

 

 


Lesson 22 「メカハウス」は資産価値が劣化しやすい。

利便性向上の陰で、どんどん増えていく家電製品と住宅設備。

 

製品供給力が脆弱だった時代には自家用車やカラーテレビ、エアコンなどの耐久消費財が所有者のステータスシンボルとして取りざたされることもありました。いわゆる新三種の神器です。物が溢れる現代では家電製品や設備機器が、快適で便利な暮らしにとって、なくてはならないものになっています。

 

 

オプションを追加すると便利になる自動車と、住宅の違いは?

 

自動車選びでは予算に合わせてオプションを追加していくと、さらに便利で高級な使用感になることは誰しも経験するところです。それでは住宅はどうでしょうか? ”Less is more.” が考えるヒントになるかもしれません。

 

簡素でシンプルなデザインは、人々を豊かにしてくれる。これ以上削ぎ落とすことができない究極のデザインこそが、物質では満たされない至福の喜びを居住者に与えてくれる、とでも解釈すれば良いのでしょうか。今本当に必要不可欠な設備は何か?何が不要な設備なのかを十分に理解することが必要でしょう。

 

 

メカハウス」はなぜ資産価値が劣化しやすいのでしょうか。

 

住宅建設の予算は、多くの場合で限りがありますので、設備機器に多くの予算を回すと建築本体にかけられる予算は相対的に少なくなります。ですから、建築本体の予算を十分に確保したパッシブハウスに比べると、メカハウスの建築劣化のスピードは格段に上昇してしまいます。

 

建築本体に関わる規制や基準は年々強化される傾向にあります。建築本体の断熱性能や耐震性能を低くしてしまうと将来的に基準不適合な住宅となりますから、この意味においても資産価値の劣化は生じるのです。

 

 

必要不可欠なものが理解できれば、美しい健康生活が生まれる。

 

欧米の住宅の資産価値は購入時よりも居住年数が長くなるほど高くなる、という事実はよく知られているところです。自分の住宅に愛着を抱き、年々手を加えてより快適な環境を自ら見出し、創り出す努力を常に惜しまないからではないでしょうか。

 

竣工時の一瞬が、住宅にとって最高に美しい時ではないことを、心から祈るばかりです。

 

 

■記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/


Lesson 21 空気の質に無頓着すぎませんか?

人間は閉鎖系ですか?それとも開放系ですか?

 

人間は外界との間で物質とエネルギーを交換せずには生きてはいけないのですから、開放的な系であると考えることができそうです。物質交換の中で最も重要なもの、それは「食物・水・空気」であり、いずれが欠けていても永続的に存在することはできません。もちろん、取り込む物質の質が健康に影響を与えることはいうまでもありません。

 

 

物質交換量で最も多いのは空気です!

 

しかし意外と意識されていない必須物質、それは空気です。1日の摂取量は約20 [kg]と圧倒的に多く、人間はご飯約100杯分もの空気を毎日取り込んで暮らしています。食料や水に比較すると目に見えないというハンディキャップがあるせいでしょうか、新鮮で澄んだ空気の大切さは意識下に沈んだままになっているようです。でも、空気質が疾病を引き起こしてからでは手遅れです。

 

空気中のVOCや生活臭、ペット臭を取り除いてくれる建材もある!

 

下図は空気清浄機能のある建材のガス吸着性能の測定結果です。オレンジ色の線が空気清浄建材の性能曲線で、基準値0.08[ppm]を大幅に超過する濃度のホルムアルデヒドが約2時間で不検出になるほど低下しているのがわかります。機械任せ、薬品任せの空気清浄には自ずと限界があります。汚染物質の吸着、分解作用のある建材を積極的に採用してみるのも有効な手段です。

 

 

 

■記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/

 

 


千葉市の「住活セミナー」で講演してきました。

 千葉good工務店会が主催する住活セミナーで「失敗しない「健康住宅づくり」のために」というテーマの講演をしてきました。

 

 

大網白里市季美の森にあるS邸を会場としてお借りし、これから住宅づくりを考えているユーザーの皆さんが熱心に聴講してくれました。講演は午前と午後の2部構成で、各60分間のミニセミナーです。

 

 

 

千葉good工務店会に参加している企業は持ち回りで家づくりセミナーを開催しており、家づくりの第一歩は、実際に建てられた住宅を見てみることだ、と啓蒙活動を展開しています。

 

 

セミナーは単なる勉強の場としてだけでなく、参加している工務店のこだわりや思い入れのたっぷり詰まった住宅を見学することで、家づくりのパートナーである工務店の特徴を理解するための絶好の機会です。

ネットや雑誌などの情報では知ることのできない質感やVisual Comfort、風通しや陰影、涼しさや温かさなど温熱環境も体感することができます。

 

 

 

一生に一度の大事業である「住宅づくり」。住宅の環境が疾病の原因になる場合も散見される現代の住宅建築。家族が快適で健康的に過ごし、豊かで実りある人生を送るための器(住宅)、設備や機械に頼らないパッシブな暮らしが実現してくれる健康住宅を目指して、一人一人のユーザーさんと専門職の工務店の皆さんが、個性あふれる住宅をつくってくれることを確信して帰路につきました。

 

 

室内気候研究所 主席研究員

工学博士 石戸谷 裕二

■公式HP: http://iwall.jp


Lesson 20 「気密」が必要な本当の理由は?

北海道に開放型住居を立てて暮らすと、どうなるのでしょう?

 

明治期の北海道には開拓使が置かれ、屯田兵制度が制定されました。北海道の開拓と警備を担う人々が屯田兵に志願し移住することになります。彼らの住居は復元され現在も後世にその姿を伝えていますが、下見板張りの外壁は冬でも外気の侵入を無防備に促し、囲炉裏の火を生活の中心に据えつつ凍えるような環境の中で春の到来を待ちわびていた姿は容易に想像することがでそうです。

 

一方、先住民族であるアイヌの人々の住宅は「チセ」と呼ばれますが、萱や笹で拭かれた屋根、壁の空気密閉性能は板張りよりもかなり高く、必要換気量は室内で燃焼させる薪の量に多く依存しています。屋根に積もった雪が解けない程度に薪を燃やし土間を温めることで、厳寒期でも生存できる環境を創生することが可能でした。古より寒冷地に住む賢人たちの暮らしの知恵です。

 

 

気密化の技術が、壁体内結露による被害を防止した。

 

住宅の気密化が叫ばれるようになったのは比較的新しく、断熱強化を推進していく過程で技術開発が行われました。不幸にも、断熱強化の過程で断熱層内の結露問題が顕在化し、その対処法として防湿層の施工が推奨されることになり、結果として気密化が推進されました。

 

 

「気密」でなければ「計画換気」は実現できない。

 

さらに重要なことは気密化で換気を計画的に実施することが可能になるという視点です。どこから、どの程度の新鮮空気を室内に導入し、汚染された空気をどこから排出するのか。計画換気は室内の空気質を維持し健康で衛生的な環境をつくるばかりでなく、温熱的な快適性を高めることに大きく貢献しています。計画換気は隙間だらけの住宅では実現することができません。法的に義務付けられている換気の技術的基礎は、気密技術に依拠していると言えるのです。

 

 

■記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/


Lesson 19 「断熱」が必要な本当の理由は?

「断熱」の主目的は、エネルギー消費量の抑制なのでしょうか?

 

壁を還流して流れる熱量の計算は電卓さえあれば比較的簡単にできますから、断熱材を厚くする費用と光熱費の低減量を比較して、対費用効果を数値化することもできます。この計算が「断熱」の普及に大きく貢献してきたのですが、「断熱」の本来の意味は光熱費を少なくすることなのでしょうか?

 

無機系断熱材で最高の断熱性能を誇る「シリカエアロゲル」の外貼り施工風景。

 

不快で、不健康な環境は、表面温度の低さが原因になっている。

 

それは断熱性能が不足しているために、室内の表面温度が低いまま放置されている住宅が、数え切れないほど存在していることに原因があります。室内の表面温度は寒暖計では直接的に計測することはできません。これを簡単に図表から読み取ることができるよう、下図を用意しました。

図1 断熱性能が低いと表面温度も低く、寒さや結露の原因になる。

 

温熱環境の質は「断熱」が鍵を握っている。

 

「断熱」の本来の目的は、室内と外界を熱的に分離して「暑さ」「寒さ」を室内から除去することにあります。「断熱」で生活環境の「質」を向上させることで、健康で快適な暮らしを創生することができるのです。

 

ホテルの窓で結露した水は、結露受けに溜まったままだった。

 

 

■記事の全文原稿と詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/



calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>

e-プラスター

blog_image blog_image blog_image

selected entries

categories

archives

links

profile

書いた記事数:232 最後に更新した日:2018/10/19

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM