しっかり断熱すると、日射遮蔽も効果が出てくる!
当ブログでは、これまでにも何度か「就寝時熱中症」の原因とその被害について議論
してきました。
エアコンをつけて寝ていても、昼間に過熱状態になった屋根裏空間からの熱侵入によって
脱水症状を引き起こし、熱中症の症状で搬送される人が後を絶たないというのです。
(写真)北洲「プレミアム・パッシブハウス」の外付けブイラインド
「熱中症」対策は水分の補給ではなく、住宅の断熱から始める。
屋根や外壁の断熱性能を十分に高めていくと、躯体からの不用意な日射熱の侵入を防ぐ
ことができますから、一日中「熱中症」から身を遠ざけておくことも可能になるのです。
高断熱化することで、窓からの日射侵入を調整することの意味も顕在化してきます。
(写真)フランクフルト住宅展示場 ガラスハウスの日射遮蔽
建築躯体の断熱性能が低いと、窓ガラスからの日射侵入を抑えても屋根や壁など躯体から
の熱侵入が卓越するので室内の暑さを防ぐことはできず、単に眩しさの抑制することに
しか効果はありません。
眩しさと暑さからの開放感を同時に享受するためには、まず高断熱化が欠かせないのです。
(写真)外付けブラインドの収納事例(収納ボックスが大きすぎる!)
高断熱住宅が普及した欧州では、住宅の日射調整手法として外付けブラインドが一般化
しているのですが、日本での普及はまだまだ進んでいないようです。
台風などが頻発する日本の気候風土はもとより、他の日射調整手法と比較するとまだまだ
高価であることも、外付けブラインドの普及を妨げる要因となっているようです。
(写真)上手に収納された「プレミアム・パッシブハウス」の外付けブラインド
また、外付けブラインドには巻き上げ時にブレードを収納しておくための収納ボックスを
施工する必要がありますが、一般的に壁が薄く外断熱工法が普及していない日本では、
ボックスを窓の上部に施工すると、建築的な美観を損ねてしまうという課題があります。
(写真)ブラインドボックスのスマートな収まり
「プレミアム・パッシブハウス」(設計:北洲ハウジング)
北洲「プレミアム・パッシブハウス」では外壁の付加断熱に90[mm]のシリカエアロゲル
断熱材「SLENTEX」をアジアで初めて採用するとともに、ブラインドボックス周りの
ディテールを徹底的に見直すことで、すっきりとした窓周りのデザインを実現しました。
(写真)ドイツのパッシブ集合住宅に設置された、外付けブラインド
壁厚が最低でも300[mm]はあるドイツの住宅に比較すると、日本の壁は薄いのですが、
ブラインド周りのディテールの開発によって、その魅力を享受できる日も近いようです。
カーテンレスで生活できれば、プライバシーを確保しながら冬の日差しを十分に活用すること
もできるようになります。
「断熱」を進化させると「遮熱」も意味を持つのです。
■室内気候研究所
公式HP : http://iwall.jp/
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- 2019.05.27 Monday
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