適切な室温維持は、死亡リスクを低下させる。

 

 

 

前回は広域停電などの重大災害が発生した時に、住宅の断熱性能によって生存リスクが

 

どれほど影響を受けるのか、という問題について考えてみました。今回は4大疾病に

 

よる冬季間の死亡率格差に関する研究成果をもとに、温熱環境と健康について再考して

 

みたいと思います。

 

 

呼吸器疾患のリスクが高まる、室温が16℃以下の地域が多い理由は?

 

冬季に死亡率が上昇する原因三大疾患として心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患がよく

 

知られています。また、急激な血圧変動に起因すると考えられる二次的な死因として

 

溺死・溺水が最近注目を集めています。

 

 

 

 

これら4大疾患による冬季死亡率の地域間格差を、既往の研究成果をもとにグラフ化して

 

示してみました。寒冷地である北海道の厳寒期死亡率と基準に比較すると、温暖な気候の

 

地域と考えられている西日本地域の冬季間死亡率が非常に高いことがわかります。特に

 

呼吸器疾患による死亡率は地域格差が大きく、近畿、北陸及び四国の死亡率は北海道の

 

5倍を超過していることが学術研究の結果から明らかになりました。

 

 

英国保健省の環境基準では「呼吸器疾患に影響の出る室温」を16℃と規定しています。

 

ここから当該地域では冬季間の室温が16℃に維持できていない可能性が指摘できそうです。

 

また、心疾患に比べて呼吸器疾患の死亡率格差が拡大してしまうのは、心疾患への影響が

 

出始める室温(12℃)よりも呼吸器疾患への影響温度が高く、結果として室温依存性が

 

高まるためと考えることができそうです。

 

 

温暖地ほど設定室温が低く、室間の温度差が大きいことがリスクを増大させる。

 

これらの原因として温暖地域の断熱性能の低さが挙げられます。住戸あたりのエネルギー

 

消費量の地域間格差をなくすという意味では、断熱性能の地域基準は一定の合理性を

 

持っています。

 

 

一方で温暖地域に見られる「冬の寒さは耐えるもの」という生活習慣とも相まって、

 

寒さを我慢して暖房の使用を避けるといった文化も見られることから、地域間格差の是正には

 

健康リスクを高めない室温維持に必要な断熱性能の確保という指標も必要になりそうです。

 

 

室温・湿度・空気清浄度の維持で、呼吸器疾患リスクを減らそう。

 

呼吸器疾患への対策は室温の維持に加えて、相対湿度の調節、空気清浄度の維持も大切な

 

要素です。健康リスク低減のため、風邪を引きにくい環境を創ることを目標にしたいものです。

 

 

ここでも健康被害に会いやすいのは、体力や免疫力の弱いご長寿さんと乳幼児です。

 

風邪は万病のもと、と古説にも言い伝えられています。

 

 

重篤な肺炎も、元を正せば断熱不足で室温が低かっただけなのかもしれないのですから。

 

 

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所

 

 


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