Lesson 27 省エネルギー基準が求めるのは健康な住まい。

 

1970年代に起きた二度にわたるオイルショックを覚えていますか?

 

1973(昭和48)年10月に勃発した第四次中東戦争の影響を受け、石油輸出国機構(OPEC)加盟の産油6カ国は原油公示価格を即時21%引き上げるとともに、原油の減産を決定しました。いわゆる第一次オイルショックの始まりです。

 

さらに1978(昭和53)年のイラン革命により同国内の石油生産が中断し、イランから大量の原油を輸入していた日本では石油の需給が逼迫する事態となり、原油価格は高騰しました。これが第二次オイルショックですね。このころ、北海道では産学官が連携した「高断熱・高気密」住宅の研究開発がスタートします。またこれらの社会状況を契機として昭和55(1980)年には「エネルギーの使用合理化に関する法律」(通称、省エネ法)が制定されました。

 

冬暖かく、夏涼しい「快適住宅」の基礎は省エネ基準にある?

 

それでは住宅における省エネルギー規制の成立は、単にエネルギー使用量の抑制だけが目的だったのでしょうか?

図は現在5,000万戸以上もあると言われる日本の住宅ストックを、熱性能ごとの構成比率で分類して示しています。省エネ法が施行される前は、ほぼ全ての住宅が無断熱であったと考えられます。

 

昭和55年基準は外界気候との明確な区分を可能にするとともに、「熱的な室内」という概念を生じさせたという意味で、他の改定基準とは異なるマイルストーンとしての価値があると考えられます。

 

 

地域ごとに断熱性能が異なる理由は?

 

省エネ法では地域の気候区分に応じて断熱性能の下限値が定められています。それでは性能基準を策定するにあたり考慮された合理的な判断尺度とは、一体なんだったのでしょうか?

 

下図は2013(平成25)年10月に施行された、いわゆる新省エネ基準の気候区分をもとに、外気温と居住者の体感温度の関係を予測して示しています。

 

省エネ基準に適合した北海道の住宅では、部屋の中にいると外気温が−8℃になるまで寒くなってきたと感じることはない、ということを意味します。同様に南東北から北関東にかかる4地域では、外気温の低下により寒さを生起させる外気温は3℃となり、これらの温度は各地域の暖房に関する設計外気温に概ね一致していることがわかります。

 

 

 

省エネ基準は省資源よりも、快適・健康なくらしが目的です。

 

省エネ基準はその名の由来通り、石油ショックを契機とした省資源を目的とする建築の熱性能規制を意味していると考えられます。しかしその基準策定の過程において居住者の快適性に関する知見が法的整合性の基盤として考慮されたと言う事実は容易に推測できます。

 

卵が先か?それとも、鶏が先か?

 

健康で快適な生活を担保できる住空間の提供を確保すると、結果として省エネルギー・省資源にも資することになる。住空間創造の根底には健康維持という目的が脈々と継承され、高性能化の歩みへと帰納されていくのです。

 

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

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