健康のために、自然の変化を室内に創り出す。

 

 

 

室内での活動がますます長時間化し、知的生産活動も高度化し続ける現代社会。

 

現代人は知らず知らずのうちに環境ストレスにさらされ、健康リスクが高まっています。

 

 

 

 

健康のためには、ストレスの元凶となる環境要因を室内から排除していく必要があるのです。

 

 

人間の生理的な活動は、ほぼ24時間周期で変動を繰り返しています。

 

「音・光・熱・空気・色」。

 

様々な環境刺激が、1日を通してゆっくりと変動するような環境の創出が不可欠ですね。

 

 

 

 

 

 

 

でも、これらの周期的な環境刺激を機械的に作り出したとしても、鋭敏な人間の感覚は

 

これを否定的な刺激としてしか受け取ることはありません。

 

 

自然の変化を快適な範囲まで和らげつつ、どのように室内に取り込んでいくのか?

 

「健康住宅ヅクリ」の基本的なコンセプトは、第二の自然の創生に根ざすべきでしょう。

 

 

 

 

 

温熱環境に目を向けてみると、外気温度や日射量の変化を生かした環境づくりが

 

居住者の健康にとって不可欠であることは言うまでもありません。

 

 

断熱性能を高めるだけでなく、蓄熱性能の付与による室温変動幅の抑制、過度な日射

 

受熱による過昇温の抑制は、温熱環境づくりの原点といえるかもしれません。

 

 

 

 

 

大切な家族の健康な暮らしと、充実した人生を約束してくれる住宅ヅクリ。

 

自然に学び、自然を上手に利用する工夫が大切なようです。

 

 

 

 

 

 

 

■室内気候研究所

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「寝る子は育つ」、という変わらない事実。

 

 

 

家づくりの主人公である、家族の「子育て物語」。

 

我が子の成長と幸福を想像しながら、間取りやプランを考えるのも楽しみの一つですね。

 

 

 

 

 

そこで忘れてならないのは、人間は自然界の変化に対応しながら生きているという事実。

 

 

特に乳幼児から学童期までの間、睡眠は成長と免疫力の増強にとって欠くことのできない、

 

貴重な時間なのです。人の細胞分裂は、紫外線の影響を避けるため夜に活性化するからです。

 

もちろんヒト成長ホルモンは、就寝中に分泌されるのもこのためです。

 

 

 

 

 

 

「早寝、早起き、朝ごはん」!

 

この生活習慣を幼児期からしっかりと維持することで、子供は健康的に成長することが

 

可能になるのです。人工環境の中で暮らすことの多い、現代社会に生きる子供たち。

 

十分な睡眠を取ることのできる寝室こそ、最も大切な空間かもしれません。

 

 

 

 

 

朝目覚めたら太陽の光を浴びて、活動のスイッチを入れること!

 

子育て中は、毎日欠かさず心がけていきたいものです。

 

 

 

 

 

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「断熱」って、家のウチとソトを区別すること。

 

 

 

「断熱」という技術が普及していなかったなら、家の中の温度はほぼ外気温と同じ!

 

北海道で暮らすということ自体、本当に命がけだった時代もありました。

 

 

 

 

 

 

住宅の断熱性能基準が公表されて40年が経過しましたが、いまだに命の危険は住宅の

 

内部に取り残されたままです。入浴中に心肺停止になって緊急搬送される方の多くは、

 

断熱さえきちんと施工されていたら助かったかもしれないのです。

 

 

 

 

 

 

 

健康リスクを気にせずに、ゆっくりとバスタイムを楽しむことのできる住宅環境。

 

こんな当たり前のことすらできない住宅が、まだまだ日本にはあるようです。

 

 

 

 

 

まずは健康リスクを排除することから、家づくりをはじめませんか?

 

 

 

 

 

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窓を機能させるために必要な「ガラス」の性能は? その2

 

 

 

 

厳しい冬の気候だからこそ、生命力を感じる緑の植栽を楽しみたい。

 

 

 

中世のバイエルン王も、その建設を熱望したと言われるガラス温室「オランジェリー」。

 

 

素材技術の進歩によって、誰もが一年を通して緑と共に過ごし透明天蓋空間の魅力を享受

 

できる時代が、ようやく到来しました。

 

 

 

(写真)釧路市のフィッシャマンズワーフに併設されたガラス空間「EGG」

 

 

 

もちろんこの空間の主役は植物であり、人間はそこを通過するか短時間滞在するだけの存在

 

です。植生の生育条件によっては温度変化の幅に制限はあるものの、光合成に必要な日射量は

 

外界の変化をそのまま受け入れるだけでよく、積極的に調整される必要はありません。

 

 

つまり植物の健全な成長には好適な環境の生成が、ガラス温室の設計条件となります。

 

 

 

(写真)通年で植栽の魅力を感じることのできる、ガラス歩行空間

 

 

 

現代では食物の生産工場にもこの技術が生かされるようになり、知らず知らずのうちに

 

私たちの生活の中に定着するようになってきました。

 

 

いわゆる、ガラスを用いた植物のための環境技術の創生です。

 

 

 

人間の健康にとって必要な環境は、ガラス建築で創生可能なのか?

 

 

 

軸組構造の「間戸」に板ガラスを採用しようとする試みは、その発生の歴史から考えても

 

ごく自然なことでした。しかし四季の気候較差が大きな日本の気候では、透明な窓から

 

得られる開放感だけでは相殺できないほどの環境劣化が、開口部のガラスによって引き

 

起こされてしまうことも、容易に想像ができます。

 

 

 

(写真)カーテンを閉めておくことを前提にした、開口部のデザインが乱立。

 

 

 

 

ガラス被覆空間に必要なのは、断熱性能だけなのか?

 

 

開口部を断熱性能の脆弱なガラスで被覆することによって生じる寒さの室内への侵入や、

 

隙間風や結露を防止するため、建具を含めたガラスの熱性能向上に資する技術の開発が

 

多方面で図られてきたことは言及する必要もないでしょう。

 

 

 

(写真)フランクフルトの住宅展示場で常設されている、ガラス建築の例

 

 

 

 

日射調整を、ガラスの性能だけで解決するのは無理がある。

 

 

一方で、ガラス面に入射する日射量は季節変動が大きく、また室内側での日射需要量は

 

季節依存性が高いことから、断熱性能の高度化が一定の水準に到達すると日射透過量の

 

調整が新たな課題として顕在化することになりました。

 

 

深い軒の庇や外付けブラインドなどの日射調整機能を持たないガラス被覆建築では、いきおい

 

日射遮蔽性能の高いガラスを採用することになりますが、日向にいても温かく感じることの

 

できない室内環境の違和感は、静的なガラスの性能だけでは払拭することができません。

 

 

 

(写真)窓は、「ウチ」と「ソト」をつなぐ情報の結節点として機能している。

 

 

 

 

日射調整のために眺望を犠牲にするのは、窓の機能の半分を諦めることに等しい。

 

 

窓ガラスの面積が大きくても、日射調整やプライバシー確保のためにカーテンやブラインドを

 

常に閉じておく必要があるとするなら、結果として閉鎖感の強い室内環境を恒常的に創生する

 

ことになってしまいます。

 

 

 

(写真)視界を意識した現代住宅の「窓」(設計・施工:SUDOホーム)

 

 

 

プライバシーを確保しながらも窓ガラスから入射する太陽光の量を調節するための工夫が、

 

現在の建築デザインでは大変重要になっています。

 

 

京都に代表される町屋建築に見られるような坪庭のように、「ウチ」に向かって開放する

 

という伝統的な都市建築の発想を、もう一度見直してみる必要もありそうです。

 

 

 

(写真)プライバシーの確保に配慮したウチとソトをつなぐ窓

 

 

 

断熱、日射取得量の任意な調整、そしてプライバシーの確保をどう実現するのか?

 

 

 

外界と完全に隔絶される可能性のある組積造建築では、外皮に穿たれる開口部が光と空気を

 

取り入れるための大変貴重な経路であり、その拡張を希求しながら建築技術は進歩してきました。

 

 

い方で、大開口が比較的得やすい軸組工法でガラスを用いるとき、断熱性能に加えて日射や

 

プライバシー確保など、経時的に変化する住要求に対応するデザインが不可欠になります。

 

 

窓ガラスには、断熱性以外にも重要な課題がまだ残されているようです。

 

 

 

 

 

 

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窓を機能させるために必要な「ガラス」の性能は? その1

 

 

 

断熱は、省エネルギーから健康へと軸足を移しつつある。

 

 

高断熱住宅は熱的な性能重視という技術的な進化の時を超えて、

 

新たな価値の創造と評価指標の創生の時代を迎えようとしています。

 

 

現在の省エネルギー基準では、外皮性能は断熱性能の平均値で規制が行われていますが、

 

開口部、とりわけガラスが使用される「窓」機能の見直しが急務になってきました。

 

 

 

(写真)窓面積を狭小化することで、見かけの断熱性能を高めた住宅

 

 

 

今回から、窓の機能を十分に発揮させるために必要なガラスに期待される性能と、

 

生活に密着した将来像について考えてみることにしましょう。

 

 

 

ガラス建築の原点は、第1回ロンドン万国博覧会のパビリオン。

 

 

建築の「ウチ」と「ソト」をつなぐ透明な外皮「ガラス」は、1854年の第1回万国博覧会で

 

ロンドンに建設された「クリスタルパレス」で具現化され、多くの人々を魅了しました。

 

 

伝統的な組積造建築における閉鎖的な室内環境へのアンチテーゼとして、その後の建築思潮に

 

大きな影響を与えることになった「水晶宮」。

 

 

 

(写真) ドイツのバイエルン王をも魅了した「オランジェリー」

 

 

 

今ではライトアーキテクチャーの浸透とともに私たちの生活の中にしっかりと根付いた感のある

 

「ガラス建築」は、性能、表現としても飛躍的な進化と発展を遂げて来ました。

 

 

 

(写真)金沢21世紀美術館の、ガラスのファッサード

 

 

 

一方、伝統的な建築手法を積極的に見直す事で、気候や風土と共生しようとする建築運動も

 

世界的に幅広く支持され、外皮が持つべき機能について今も議論が続いています。

 

 

いわゆる「リージョナリズム」と言われる建築運動ですね。

 

 

 

(写真)沖縄県立美術大学の環境ファッサード

 

 

 

現代建築では、室内と外界とをつなぐ開口部「マド」が重要な役割を!

 

 

外皮、とりわけ「マド」に要求される機能は下図のように定義することができるのですが、

 

常に変化する外界の環境要因と住要求に対して、柔軟に対応可能な開口部のデザインは、

 

快適で健康的な室内環境を創生するという観点から、重要な鍵を握る技術と言えそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建築の構造と不可分な「開口部」のデザインと「マド」の意味。

 

 

自然に対して開放的な日本の伝統的建築では、柱と柱の間をどのように閉鎖するかという

 

課題を解決するために様々な手法が開発されてきました。いわゆる「間戸」の開発です。

 

 

外界気候の変化を享受しながら、建築外皮を柔軟に変更することで室内環境を創生

 

しようとする建築行動は、世界に類を見ないかもしれません。

 

 

 

(写真)開放的な室内環境をつくる、伝統的な日本建築の「間戸」

 

 

 

でも柱間の建具を季節とともに交換して暑さや寒さ備え、雨戸で風雨に対応するのは、手間も

 

かかりますし、何より建具を収納するためのスペースが必要になります。

 

 

 

(写真) 岡山城後楽園の能舞台

 

 

 

敷地面積が限られる現在の住宅事情を考えると、柱間の素材を変更するという伝統的な

 

季節への対応手法が支持されなかったのも、致し方ないことなのかもしれません。
 

 

 

開口部を穿つことに先端を結集してきた「組積造」建築の進化。

 

 

軸組工法では柱間を塞ぐことで変更できた「マド」のデザインですが、組積造工法では

 

構造的な問題から、随意に開口部を大きくすることは困難な問題でした。

 

 

 

(写真)ハイデルベルク城の城塞に穿たれた窓

 

 

 

内部に光と空気を導いてくれる開口部を、少しでも大きく空けたいという欲求は、

 

古来から建築技術者の目標とされてきたことは想像に難くありません。

 

 

 

(写真)神の象徴である光を取り入れる、パンテオンのドームの開口

 

 

 

「マド」のデザインに内包された、二つの系譜。

 

 

それでは軸組工法を基礎として発展してきた住宅建築の「間戸」には、将来的にどのような

 

要求が予測され、どのような機能が必要になるのでしょうか?

 

 

 

(写真)断熱改修を施した集合住宅の外観(ドイツ)

 

 

 

時間とともに変化する外界環境と住要求に柔軟に対応することが可能な、未来の「間戸」に

 

ついて、次回以降も考えていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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建築デザインと街並み、そして住宅の熱性能の課題。

 

 

高断熱・高気密住宅がとても普及している北海道ですが、街区や景観、建築デザインに

 

関わる問題点が指摘されているようです。外皮の面積を抑えるために箱型の住宅が並ぶ

 

札幌市の新興住宅街の様子からも、その問題の深刻さが見て取れます。

 

 

 

 

 

 

以前紹介した千葉県にある建売住宅の街区の様子ですが、屋根勾配、使用する外装の種類、

 

隣棟間隔などを統一することでここの調和のある住宅のデザインが街区形成に貢献しています。

 

もちろんこちら街区も、高断熱・高気密性能は北海道並みで、価格は普及帯です。

 

 

 

 

 

さらに高性能化を進めるために、極端に窓面積の小さな住宅が増え続けている北海道。

 

 

 

 

プライバシーを守りながら日射遮蔽や眺望を実現するデザインの工夫はないのでしょうか?

 

 

 

 

もちろん敷地や建築費用の問題があるので容易に解決できないのですが、近隣との

 

関係性を適度に保ちながら、個の空間を創出する方法はいくらでもありそうなのです。

 

 

 

 

 

十分な敷地や自然環境が得られるなら、問題の解決はより容易かもしれません。

 

 

 

 

 

狭小化する都市型の敷地で、プライバシーを守りつつ近隣との関係性に配慮した住宅を

 

街区形成に配慮しながらデザインする手法が求められています。

 

 

もちろんそのベースになるのは居住者の健康と快適性であることは言うまでもありません。

 

 

 

 

 

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LOHASな生活を支える、高性能住宅の新たな挑戦!

 

 

 

年間を通して快適な室内環境をつくり、LOHASな生活を送っていただくためには、3つの

 

技術が必要であることをお話ししてきました。

 

今回は先駆的に、これらの技術が導入された北海道の高性能住宅をご紹介しましょう。

 

 

 

【技術1】 まず「断熱」をしっかりと計画し、施工することです。

 

 

 

 

 

 

「暑さ」「寒さ」を感じることなく生活するために必要な断熱材の厚さを敷地の立地条件と

 

気候から算出してみましょう。もちろん省エネルギー基準に合致していることが最低条件です。

 

 

 

 

 

 

 

 

断熱材の厚さを決定したら、次は断熱欠損なく施工できるのか、構法の検討に入ります。

 

しっかりと施工できる断熱構法でなければ、設計上の性能を満たすことはできません。

 

 

 

 

 

 

施工が終了したら赤外線カメラを使って、熱橋がないか可視化してみると良いでしょう。

 

 

 

(画像)軸間断熱と外断熱を組合わせた高性能住宅の例(設計・施工:北央建設)

 

 

 

断熱材の施工が緻密に実施されていると、外壁面の温度はほぼ均一になり熱画像の色相

 

を見てもほとんど差はありませんね。しっかりとした計画と施工ができている証左です。

 

 

 

 

【技術 2】 夏場の暑さに備えて「遮熱」計画をしましょう。

 

冬場には嬉しい日射熱ですが、夏はそのまま室内に取り入れると暑くなりすぎます。

 

窓の外側で、しっかりと日射熱を遮断するための方策を考えましょう。

 

 

 

 

 

遮熱効果の高いネットやシートが発売され入手しやくなりましたので、建築の意匠を

 

勘案して最も適した遮熱装置を、建築時にあらかじめ施工しておくことにしましょう。

 

 

 

【技術3】 「断熱」と「遮熱」をしたら、あとは「蓄熱」をしっかりと。

 

日本の伝統的家屋をみると、茅葺き屋根のしっかりとした断熱性能と軒庇の遮熱性能が

 

備わった住宅が全国的に存在していることがわかります。また土壁や土間床が担っていた

 

「蓄熱」の性能を組み話せれば、現在の住宅でもパッシブ性能の高い住宅が完成します。

 

 

 

 

 

 

現在は大壁構法が多数派ですが、土壁に代わる潜熱蓄熱性能を持った建材も開発されています。

 

木造建築にRC建築が持つ熱容量を加えてあげれば、快適な温熱環境の出来上がりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

夏は涼しく、冬暖かな住宅は「断熱」「遮熱」それに「蓄熱」で完成します。

 

 

 

 

 

 

もちろん自然室温が快適範囲を逸脱する季節は、少しだけ空調設備の力を借りましょう。

 

こうすることで設備容量はとても小さくて済みますし、消費エネルギーも抑制できます。

 

 

 

 

 

 

パッシブ住宅づくりの基本的な技術を守り、しっかりと施工することで「LOHAS」な生活が

 

約束されるのです。

 

 

 

 

 

 

パッシブな住宅は、そこに住む人をアクティブにしてくれるものです。

 

あなたの大切な家族の健康を守ってくれるパッシブな住宅づくりにチャレンジしませんか?

 

 

 

 

 

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高断熱・高気密住宅を、見直す時期でしょう。その2

 

 

 

 

 

今や常識になった高断熱・高気密化構法ですが、いまだに基準適合の義務化すら実施されず

 

品質の確保は設計・施工を担当する事業者に委ねられているという現状に課題はないのか?

 

 

断熱水準では、国際的な規格から大きく引き離されているというのが残念です。

 

 

 

(写真)有機系断熱材による屋根断熱の提案 (独:BASF社)

 

 

 

また、年々登場する断熱材の新製品ですが、どの構法にどの商品が適しているのかといった

 

議論を耳にすることも少ないような気がします。

 

 

 

(写真)無機系断熱材「SLENTEX」による壁の外断熱 (独:BASF社)

 

 

 

日本の気候風土や法的規制を考慮しながら、その家に最もふさわしい住宅の断熱構法の選択は

 

住宅の温熱環境の改善にとって、その基礎をなすものであることは言うまでもありません。

 

 

 

(写真)パッシブ・ハウス研究所による、断熱性能のデモンストレーション

 

 

 

一方で、断熱性能の向上が目指す目標は「省エネルギー」と言う指標で語られることが多い

 

のですが、「健康・快適性」「知的生産性向上」といった新たなニーズに応えるためには、

 

どの程度の断熱性能が必要なのか、議論すべき時が来ているように思います。

 

 

 

 

 

 

 

断熱性能基準は時とともに変遷を繰り返してきましたので、そこには基準に取り残された

 

住宅ストックが、大量に存在していることも忘れてはいけないでしょう。

 

 

 

(写真)内張り構法による断熱改修の研究

 

 

 

住宅の断熱性能が劣っていることに起因した疾病の発生と、多くの環境犠牲者の存在が

 

その背後にあることを、建築技術者は責任感を持って対応していくべきでしょう。

 

 

 

(写真)真空断熱材とフローティングフロアの組合せ構法

 

 

 

1980年代のオイルショック期から継続的に発展してきた高断熱・高気密化技術は、明確な

 

目標設定に立った基準を再定義する時期に来ています。

 

 

居住者不在の議論ではなく、使う人の立場に立った検証が不可欠です。

 

 

 

 

 

 

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高断熱・高気密住宅を、見直す時期でしょう。その1

 

 

 

 

昭和55年に施行された省エネルギー基準は、現在の基準と比較すれば十分とは言えないまでも

 

日本の住宅の断熱性能を公的に規定する契機となったことは、高く評価されるべきでしょう。

 

 

 

(写真) 札幌市の住宅街に見られる、キューブ型住宅

 

 

 

 

断熱性能が冬の居住環境に大きく影響を与える積雪寒冷地、とりわけ北海道では1980年代から

 

産学官での精力的な取り組みによって、ヒートショックによる死亡事故が年々減少しており、

 

断熱の強化が「健康維持」「疾病予防」に有効であることが明らかになってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし省エネ基準は平成4年基準を経て、現在は平成11年基準が適用されているのですが、

 

その変遷を見ても日本の住環境はまだまだ発展途上であると言えるのかもしれません。

 

 

 

 

(写真)高性能住宅の熱画像

 

 

 

 

全国で日々建設されている、いわゆる「高性能住宅」の中にも、設計や施工方法に不備を抱えた

 

住宅があることが、専門家の間では広く認識されているところです。

 

 

 

 

(写真)進化をし続けている断熱構法の開発

 

 

 

 

今や常識になった高断熱・高気密化構法ですが、いまだに基準適合の義務化すら実施されず

 

品質の確保は設計・施工を担当する事業者に委ねられているというのが現実です。

 

 

真に必要な断熱の仕様を、もう一度見直す時期に来ているように思います。

 

 

 

 

 

 

 

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「断熱」「蓄熱」と「遮熱」の組み合わせで、夏を涼しく!

 

 

 

厳しい夏の暑さは、どうやって、やり過ごせば良いのでしょうか?

 

機械に頼りすぎず暑熱環境に適応した建築デザインは、伝統的な工夫の中にも垣間見えます。

 

 

 

(写真)日射遮蔽と通風を考慮した、沖縄県立芸術大学のファッサード

 

 

 

夏の暑さを防ぐためには、やはり「断熱」性能を高めていくことが基本でしょう。

 

 

高断熱・高気密化によって建築の躯体を貫流するエネルギー量を激減できるのですから、

 

あとは開口部の機能を季節に合わせて調整すれば、一年中快適な住宅ができるはずです。

 

 

夏涼しい家は、冬に暖かい家づくりと、考え方は一緒なのです。

 

 

 

(写真)ブラインドボックスをうまく処理した外付けブラインド(設計・施工:北洲ハウジング)

 

 

 

冬には日射熱を暖房に、夏には夜間の冷涼な外気を冷房に利用するための工夫もあります。

 

 

潜熱蓄熱塗り壁材は快適な室温の範囲内で熱を呼吸してくれる性能を持っていますから、

 

室温の変化を自然の力で安定させてくれる効果が期待できます。

 

 

 

(写真)室温調節機能のある蓄熱塗り壁材「エコナウォール」の施工風景

 

 

 

「断熱」をしっかりと補強すれば、日射の「遮熱」や内部取得熱の「蓄熱」が効果を発揮します。

 

これらを有機的に組み合わせて利用することが、LOHASな住宅づくりの肝なのです。

 

 

 

(写真)断熱・蓄熱・遮熱をデザインした北洲「プレミアム・パッシブハウス」

                         (設計・施工:北洲ハウジング)

 

 

 

 

体温調節の機構をもう一度振り返ってみましょう。

 

 

人間は体内で産生された熱エネルギーを外界に放散することで、体温を調節しています。

 

「寒さ」を感じると震えによってエネルギー量を増やし、「暑さ」を感じる時には、

 

発汗量を増やして熱の放散量を増加させます。

 

 

 

 

 

 

 

快適さの範囲には個人差があると言われていますが、冬の最低室温は20℃、夏の最高室温は

 

じっとしていても発汗が始まる28℃と考えることができます。

 

 

人間が快適に活動できる温度の範囲は、案外狭い範囲にあるようです。

 

 

 

(写真)植栽の日射調整を利用したパッシブハウス(設計・施工:武部建設)

 

 

 

 

「断熱」「蓄熱」「遮熱」の三つの機能を組み合わせて室内環境を調整している、

 

北海道に建設されたパッシブハウスの環境測定結果を見てみましょう。

 

 

 

 

ここでは日中の外気温度が30℃を超えるような、暑い一週間のデータを示しました。

 

初夏の北海道ですので日最高気温は高いものの、夜間はとても気温が低下して、

 

とても涼しい朝を迎えていました。

 

 

 

深い軒庇と、落葉樹の「遮熱」効果、蓄熱塗り壁材の「蓄熱」効果で、外気温度が35℃を

 

超えるような暑い日でも、室温は快適な範囲でゆったりと変動していることがわかりました。

 

 

 

(写真)冷涼な外気導入による室内予冷を実施した例(設計・施工:武部建設)

 

 

 

暑さ、寒さへの対策は、真に健康的な環境を創生するために不可欠な技術です。

 

 

古くから古民家でも使われてきた「断熱」「蓄熱」「遮熱」の工夫を、現代建築の中に

 

活かすことで、健康で快適な生活を送ることが可能なのです。

 

 

 

 

 

 

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