「空気の質」について考えてみよう。 その3

 

 

 

前回に引き続き「空気の質」を維持する方法について考えてみることにしましょう。

 

 

機械換気装置を運転すれば、全てが解決されるというわけではない。

 

室内の温熱環境を快適に保ちつつ必要最小限度の換気を行うために、日本を含めたWHO

 

加盟国は室内環境に基準値を定めています。ただし、換気量に関する基準値は、あくまで

 

最低限必要な換気量を定めたもに過ぎないということに留意すべきでしょう。

 

 

乳幼児や育ち盛りの子供たちや、ご長寿さんと同居されていたり、ペットと共棲する

 

場合には、換気量を大幅に増やす必要があります。また就寝時のように密閉空間で移動が

 

できない場合には、空気質が著しく劣化する場合もありますので注意が必要です。

 

 

換気装置のフィルターが汚れていると、換気の意味がない。

 

2003年以降、新築住宅には機械的に換気を行う装置を設置する義務が課せられました。

 

おそらくみなさんのお宅にもなんらかの機械換気装置が備えられていることでしょう。

 

また概ね全ての換気装置には、粉塵の侵入を防止する目的でフィルターが装着されています。

 

 

新鮮な空気はフィルターを経由して室内へと導入されるのですから、そのフィルターが

 

汚れていたのでは換気効率も著しく低下します。

 

 

最低でも月に一度はフィルター清掃をして、機械で空気が汚染されるのを防止しましょう!

 

 

(写真)健康な生活には、綺麗な空気が不可欠です。(設計・施工:SUDOホーム)

 

 

【Good Design  Award 2018受賞】

 

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「空気の質」について考えてみよう。 その2

 

 

 

「空気質」というと「建築内のガス成分濃度の高低の問題」と捉えられがちですが、

 

その定義は時代とともに少しずつ変化してきました。人間の活動によって常に汚染され

 

続ける室内の空気を、健康被害の生じないレベルに保つ方法について考えてみましょう。

 

 

室内の空気は、人間の活動によって常に汚染されている。

 

WHOは1939年から「住宅と健康の報告書」の中で室内空気汚染に関するガイドラインを

 

示していますが、近年ではVOCなどの化学物質濃度に加えてPM2.5などの浮遊粉塵量、

 

湿度とカビ、室内での燃焼による空気汚染などが指標として取り入れられるようになって

 

きました。

 

 

健康保護の原則は基準で定義される暴露限界値を超えない状態に室内を維持することに

 

ありますが、最も確実で合理的な方法は「窓空け換気」に他なりません。

 

 

空気質の実態調査に伺うと窓を閉め切り、基準を大きく上回る二酸化炭素濃度の教室で

 

一生懸命に勉強する小学生に出会い、いつも心苦しく思うのです。

 

 

外から帰ったら手洗い、ウガイ、そして窓空け換気の励行を!

 

窓を開放して換気を行う習慣が失われるにつれて、空気の質に無頓着な人が増え続けている

 

ような気がしてなりません。また窓を開放できない建築の増加が、これに拍車をかけています。

 

 

空気質の改善には、汚染を感じ取る人間の「感覚の鋭さ」が不可欠です。

 

窓を開け放って新鮮な空気を吸った時の開放感や清涼感をいつも身近に感じることで、

 

空気質への感覚は自然に研ぎ澄まされるのですから。

 

 

(写真)プライベートに配慮して、「開放できる空間」を創造(設計・施工:SUDOホーム)

 

 

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「空気の質」について考えてみよう。その1 #空気質 #偏差値 #受験

 

 

 

2018年12月16日、札幌市豊平区で大規模なガス爆発事故が発生しました。

 

奇跡的にも尊い人命は失われずにすみましたが、建物の倒壊や火災など周辺に甚大な被害を

 

もたらす結果となりました。被災された方々には、心からお悔やみ申し上げます。

 

 

 

可燃性の「消臭・除菌スプレー」を密閉された空間に大量に放散させたことが原因。

 

「空気の質」を手軽に改善したいという欲求を叶えてくれる便利な手法。今回の事故は、

 

身の回りにある生活用品もその使用方法を取り違えると大事故を引き起こしかねないことを

 

改めて知らしめるとともに、「空気の質」を改善したいと望む潜在的欲求がユーザーの間で

 

非常に強いということを露呈する結果となりました。

 

 

(写真)室内にVOCを放散して、本当に綺麗な空気を手に入れられるのか?

 

 

今回から数回に分けて室内の「空気の質」を評価する各種の指標や、「空気の質」が

 

健康に与えるインパクトやリスクについて考えてみることにしましょう。

 

 

人間は大量の空気を取り込みながら、生命を維持している。

 

人間は食料、水や空気などの必須物質を体内に取り込みながら、生命維持のために必要な

 

エネルギーを常に生産しています。一般的な成人の1日あたり摂取量(重量換算)を

 

まとめて以下に示してみました。

 

図から空気の摂取量が圧倒的に多く、続いて水、食料の順になっていることが分かります。

 

 

 

 

人間の健康が、これらの摂取物質の質に左右される可能性があることは、専門的な知識を

 

必要としない共通の認識であろうかと思います。「健康」の名を冠した食品やサプリメント、

 

保健的な機能を持つ水などが次々に発売され高い評価を得ていることからも明らかでしょう。

 

また日本人は元より海外からの観光客の間でも、日本の食品や水の質、安全性の高さが注目

 

されるようになってきています。

 

 

ところが摂取量が食料や水よりも多い空気、とりわけ室内の「空気の質」や安全性は、

 

目に見えないという特性もあってか看過されがちなように思います。

 

 

「シックハウス症候群」が取りざたされて以来、換気量に対する法的規制が強化されて

 

「空気の質」に対する関心は高まってきたものの、アレルギー疾患や睡眠との因果関係など

 

「空気の質」の重要性が科学的に解明された、とは言い難いというのが現状です。

 

 

健康を左右する「空気の質」を、もう少し科学的に評価する必要がありそうです。

 

 

 

 

【Good Design  Award 2018受賞】

 

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2018年を、振り返ってみました。

 

 

いよいよ残すところ1日。もう少しで激動の時代、平成が幕を閉じようとしています。

 

皆様にとって2018年はどのような年でしたか? 楽しいことも、悲しいこともあり。

 

室内気候研究所にとって最大のニュースは、開発品の潜熱蓄熱建材「エコナウォール」が

 

グッドデザイン賞2018を受賞したことですね。心から感謝です。

 

 

 

 

蒸暑地域の室内環境計画に向けた取り組みも2年目を迎え、核心になる蓄熱技術に加えて、

 

調湿、抗菌・防カビ、空気清浄とパッシブ技術の開発にもようやく目処が立った1年でした。

 

 

4月の欧州視察旅行を終えて建築意匠史の研究も、一応の成果を上げることができました。

 

 

2018年は災害や事故が多発するなど、建築を取り巻く環境も大きく変化した年でした。

 

 

暮らしのウエルネスを支える建築のレジリエンスについても、課題が投げかけられました。

 

 

冬季間の大規模停電など、不測の事態に対する備えが喫緊の課題となっています。

 

 

また調光技術を応用して、眺望を維持しながら遮熱できる窓の研究を新規に開始しました。

 

 

来年は日本の伝統的な住文化を活かしながら、新たな建築デザインを提案していきたい

 

と考えているところです。

 

 

本年も、このブログをご愛読いただきまして、ありがとうございました。

 

2019年が読者の皆様にとって幸多い一年になりますことを、心からお祈りいたします。

 

 

 

【Good Design  Award 2018受賞】

 

室内気候研究所 主席研究員

工学博士 石戸谷 裕二

 

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天然素材の部屋で眠ると、知的生産性が劇的に向上する!

 

 

 

今回は「睡眠の質」の向上や「知的生産性」との密接な関係が指摘されるようになってきた

 

『室内の空気質:Indoor Air Quality (IAQ)』を取り上げてみることにしましょう。

 

 

 

 

漆喰などの「天然素材」壁材が、室内の空気質を劇的に変える!

 

 

新築や改築を問わず、日本の住宅の内装仕上げは「ビニールクロス」が主流であることは、

 

これまでにも何度か取り上げてきました。

 

 

一般的に、ポリ塩化ビニールを主原料とする壁紙を「ビニールクロス」といいますが、

 

プリントやエンボス加工などが容易にできるためデザインも豊富であり、量産性にも

 

優れているため、施工費も「安価」であることが、建材としてこれほどまでに普及した

 

最大の要因となっています。

 

 

 

(写真)エンボス加工と印刷技術で、本物の織布のようなデザインの塩ビシート。

 

 

 

原料のポリ塩化ビニールは耐水性(水分を通さない性質)や電気絶縁性(電気を通さない

 

性質)などの優れた特徴を持っているのですが住環境の視点から見ると、残念なことに

 

時としてこれらの特徴がデメリットとして働くこともあるのです。

 

 

空気が乾燥してくる冬場は、絶縁性の高いビニールクロスには静電気がたまりやすく、

 

衣服や寝具、カーペットなどから出た繊維のクズやダニの死骸、皮脂の汚れやフケなど、

 

いわゆるホコリが壁に付着しやすくなってしまいます。ある程度まで大きく成長したホコリは

 

重力で床に落下し、室内の空気流によって運搬されて浮遊することになります。ホコリを集め、

 

成長させ、さらに拡散させるメカニズムの一端を、「ビニールクロス」が担っているのです。

 

 

漆喰や無垢の木材などの天然素材は絶縁性が低いので、静電気が発生してもすぐに放電して

 

しまいますから、壁で埃が成長することも抑えられ、空気質も改善されることになります。

 

また、吸放湿性能に優れた天然素材は、過度な乾燥や結露を防止する役割も果たしてくれます。

 

 

 

天然素材の壁が、知的生産性を向上させるという研究成果が公表される!

 

 

慶應義塾大学理工学部の伊加賀俊治教授の研究グループは、内装仕上げの種類と知生産性

 

との因果関係に関する興味深い研究成果を「週刊文春:2018.10.18号」で公表しました。

 

 

研究グループは被験者である学生を3グループに分け、仕上げ材の異なる三つの部屋に

 

3日間宿泊させて、自律神経の活動や睡眠時間、翌日の作業成績などについて実験を行い

 

結果を比較して、知的生産性に対する内装材の影響を検討しました。

 

 

実験に使用した壁仕上げ材は「ビニールクロス」、「木目調プリントのビニールクロス」

 

そして「天然素材」の三種類です。

 

 

実験結果から「翌日の単純・創造作業は『天然素材』の部屋に宿泊した学生が最も成績が

 

良く」「偏差値でいうと”9くらいの差」が確認できたというのです。

 

 

『天然素材』の部屋で睡眠をとることで、知的生産性が向上するという新たな知見の水平線を

 

伊加賀教授のグループが切り開いたことになります。

 

 

意欲的な研究テーマによって、室内の壁仕上げ材料と、室内空気質、そして自律神経や

 

睡眠時間、知的生産性などとの因果関係が、さらに明らかになることを期待したいものです。

 

 

(写真)天然素材の「エコナウォール 」をすると、知的生産性が向上する!?

 

 

 

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【緊急】加湿器の使用前には、必ず清掃を! #加湿器 #レジオネラ菌

 

 

加湿器が原因でレジオネラ菌に感染。死者も。

 

2018年2月1日付の新聞にショッキングな記事が掲載されました。

 

「大分県国東市の高齢者施設では加湿器が原因で昨年12月〜今年1月に、  80〜90代

 

の男性3人が「レジオネラ菌」に感染、うち1人が死亡した。今冬、インフルエンザが猛威

 

を振るい加湿器の需要も伸びる中、厚生労働省などは「適切に手入れをしないと集団感染に

 

つながる」と注意を呼び掛けている。(中略)国立感染症研究所(東京)によると、加湿器

 

による感染はこれまでも東京都や広島県、新潟市で確認され、症例こそ少ないが注意喚起され

 

ている。」(西日本新聞、記事原文ママ)。

 

 

お手入れを怠ると加湿器が致死的な凶器ともなりうるという現実。

 

設備の専門家にとってはメンテナンスが必須であることは公知の事実ですが、加湿器の

 

メンテナンスはまだまだ徹底されていないようです。

 

 

(写真)使用前の給水タンクと受水皿、フィルター部分の清掃は必須です。

 

 

 

加湿で、あっという間に室内は飽和状態。窓には結露が。

 

下図は、試験用チャンバーに60℃の湯の入った茶碗を静置して加湿した時の相対湿度の

 

推移を示しています。ビニールクロスを施工した箱では加湿直後から相対湿度が急激に

 

上昇を始め、健康的な相対湿度範囲と言われる60%を超過。

 

30分足らずで室内の空気は飽和状態になりました。

 

ビニールクロスの防水性能が仇となったようです。

 

 

もちろん断熱性能が低い窓面は全面結露の状態です。ガラスにびっしりと水滴がついて

 

いるのが目視でも確認できました。目には見えませんが天井や床、壁の表面にも

 

結露が生じていたと考えられます。

 

 

 

 

調湿建材の使用で、室内の相対湿度は安定。自然に吸放湿を。

 

壁に調湿建材を施工した箱でも同様の方法で加湿、室内の相対湿度の推移を観察してみました。

 

調湿建材を施工した部屋の相対湿度は下図のように緩やかに上昇していきますが、3時間連続

 

加湿をしても健康範囲である60%をやや超過したあたりで推移しました。

 

 

 

 

機械に頼りすぎない住宅と、生活習慣で自分の健康を守ろう。

 

家電製品や設備の発達で温度も湿度も全て機械任せ、という住宅が増えてきました。

 

同時に居住者はスイッチを入れたら自動的に、しかも永久に環境調整をしてくれるものと

 

盲目的に信じ込んではいませんか?

 

どんな設備でもメンテナンスが不可欠であることを忘れてはいけません。

 

危険はそこにあるのですから、無知だったでは済まされないのです。

 

 

(写真)調湿建材「エコナウォール 」を壁に施工した室内の様子

 

 

 

 

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「ソーラーパネル」は、現代の「屋敷林」になれるのか? #ZEH #PV #屋敷林

 

 

 

これまで住宅のウエルネスに不可欠な「レジリエンス」について考えてきましたが、

 

今回は日々の暮らしを支えてくれる「エネルギー・資源」と住宅との関係を取り上げて

 

みたいと思います。

 

 

 

日本の「屋敷林」は、自立循環型の生活を支えてきた。

 

青々とした水田の向こうに見える「緑の島」。厳しい季節風が吹き付ける日本の平野部では

 

防風や防雪、防砂などの目的で家屋を取り囲むように樹木が植えられ、日本の田園風景を

 

形成してきました。

 

 

「屋敷林」と呼ばれるこれらの人工林に植えられた樹木は種類も多様で、スギやヒバ、

 

ケヤキなどの風に強い高木に加え、カキやカエデ、キリなどの加工性に優れた中低木も

 

植えられていたようでです。

 

 

 

 

仙台平野をはじめとする東北地方では「居久根(いぐね)」、富山の砺波地方では「垣入

 

(かいにょ)」とも呼ばれる「屋敷林」。自然災害や厳しい気候から住宅を守ってくれる

 

「屋敷林」は、里山で暮らす人々に様々な恩恵をもたらしてきました。

 

 

その一つが燃料の自給自足。ガスや電気が十分に普及していなかった1960年代までは、

 

落ち葉や小枝を炊事や風呂焚きに利用したり、冬には囲炉裏での採暖にもこれらが利用

 

されていました。

 

 

また屋敷林は建築用の材料としても利用され、住宅の新増築、改修に用いられてきました。

 

今では古民家でしか見ることができなくなった強度に富んだケヤキの柱や大断面の梁、

 

外装に供される焼スギも自宅の「屋敷林」で生産されたものが多かったと言います。

 

 

 

「ソーラーパネル」は現代の「屋敷林」になれるのか?

 

都市部に人口が密集するようになった高度成長期を契機として宅地は狭小化の一途を

 

たどり、ガスや電気などの新エネルギーが田園地域でも普及すると、里山のエネルギー

 

需給にも大きな変革の波が押し寄せるようになりました。

 

 

「エネルギー・資源」が自給自足できた時代は終焉を迎え、日本全体が「エネルギー

 

・資源」を消費し続ける時代へと変遷したのです。

 

 

エネルギーの自足を目指した「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の普及が

 

進む現代の日本。「ソーラーパネル」は、現代の「屋敷林」になれるのでしょうか?

 

 

 

 

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革新的な窓システムは、ZEHの普及に貢献できるか?

 

 

以前にも述べましたが「まど」は外界と室内環境をつなぐ「情報のフィルター」の役割を

 

担っています。「まど」は生活に必要な外界の情報を、必要な量だけ透過することで、

 

室内に良質な刺激を与えてくれるシステムなのです。

 

 

 

建築は「フィルター」と「シェルター」という異なる機能で構成される。

 

壁や床、屋根などの建築躯体が、外界の変化を遮断して安心感を醸成する「シェルター」

 

の役割を担っているのとは好対照です。

 

 

 

 

室内に自然な光や風などの変化を取り込み、時間の流れや外界の変化を知らせてくれるのは

 

「まど」の大切な機能の一つです。また、視線や眺望を得ることで自然や周囲環境と

 

「ツナガル」ことができるのも「まど」のおかげでしょう。

 

 

発電所の管制室や地下鉄の運転席など「シェルター」の中での生活を想像してみてください。

 

自然と完全に隔絶された環境の中で緊張を強いられることは、過大なストレスを生みます。

 

 

 

革新的な「窓システム」の研究開発が、産学連携で実施されています。

 

少子高齢化やテレワークの普及による働き方の多様化といった社会的な背景を受けて、健康

 

・快適で知的生産性の高い「ウェルネス住宅」づくりに資する革新的な窓システムの開発を

 

目的とした産学連携研究が、北海道職業能力開発大学校で開始されました。

 

 

(写真)ガラスの性能評価試験の様子(北海道職能大)

 

 

窓の性能には貫流する熱量を抑制する断熱性能の他に、日射熱取得率や可視光透過率などを

 

最適化することが求められます。特に寒冷地におけるパッシブ住宅の普及には断熱性と日射

 

取得率が高い高性能ガラスの開発が喫緊の課題となっています。

 

 

     

(写真)電圧で透過性が変化する調光フィルムの例

 

 

また、日射熱取得や連続する居間空間の環境改善のために付設される「グリーンハウス」

 

などのガラス付設空間では、日射による夏場の過昇温が課題と指摘されています。これらの

 

空間では維持管理の問題から、カーテンやブラインドなどの調光システムが使用できない

 

ことも予見されます。

 

北海道職能大では、高性能ガラスと調光性能を有したフィルムを組み合わせて設置することで、

 

眺望や日射受熱量をアクティブにコントロールできる新規の窓システムを目指した研究が

 

行われています。

 

 

 

眺望をアクティブにコントロールして、「ツナガル」家づくりを。

 

ZEHの普及に伴って、減り続けてている開口部の面積。そして、外界の刺激を取り入れ

 

ながら、精神的な活動を豊かにしていきたいという住要求の高まり。

 

 

伝統的な住文化を未来へと継承してくれる革新的な窓システム技術が、これら問題に

 

解決を与えてくれる日も近いのかもしれません。

 

 

(写真)開放感に溢れたテラスを囲んで「ツナガル内外の空間」(SUDOホーム)

 

 

(写真)スマート調光ガラス 「HALIO」(AGC Studio)

 

[HALIO] 公式HP: https://premium.ipros.jp/agc_asahi/catalog/detail/394058/

 

 

 

 

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ZEHを流行で終わらせないためには、何が必要か?

 

 

 

 

日本政府は、2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」で「2020年までに

 

標準的な注文戸建新築住宅の過半数でZEHの実現を目指す」ことを政策目標としています。

 

 

 

(出展)資源エネルギー庁_公式HP (http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/zeh/)

 

 

 

 

ZEH(Net Zero Energy House)とは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、

 

高効率な省エネルギー設備と太陽光発電機などの創エネルギーシステムを導入することで、

 

室内環境の質を維持しつつ、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した

 

住宅」の総称です。

 

 

高断熱住宅の普及、地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点からも、その推進が期待

 

されているZEH。今回は、ZEHの現場でどのような問題が取りざたされているのか、

 

考えてみることにしましょう。

 

 

好循環を生む「ZEH」普及のために、ハードルはあるのか?

 

健康的な住環境を創出するとともに地球温暖化の防止にも役立ち、さらに光熱費を抑える

 

ことができるZEH。すぐにでも普及しそうなZEHですが、そこにはかなり高いハードルが

 

存在しているようです。

 

 

住宅をZEH化するためには断熱性能を強化し、高性能な空調設備や太陽光発電システム

 

などを導入をする必要がありますから、数百万円単位のイニシャルコストが必要です。

 

また、投資額が大きいので費用の回収には長期間を要することになります。

 

政府は、この問題を解決するために「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」に

 

おける補助金制度を設け、蓄電池の設置費用を含め一定額の補助金を支給しています。

 

 

(写真)軸組構法の特徴を生かした、首里城の開放的な和室空間と「間戸」

 

 

 

ZEHで狭小化された開口部は、日本の住文化を守れるか。

 

経済合理性の観点以外に、ZEHの現場でどのような問題が指摘されているのでしょうか?

 

 

ZEHの建設では一次エネルギー消費量を削減するために、外皮性能の大幅な高性能化が

 

義務化されています。もちろん断熱性能の向上のためには費用がかかりますので、これを

 

圧縮する目的で比較的に断熱性能が脆弱な「窓」の面積をどんどん小さくしようとする

 

住宅が増えていると言うのです。

 

 

外皮性能の向上を目的とした規制が、住宅のデザインを歪めかねない実態があります。

 

 

「間戸」には「窓」との根本的な意味の違いが存在している。

 

もともと軸組工法の特徴を生かして開放的な「間戸」を設け、自然の変化を身近に感じながら

 

生活を営んできた日本人の持つ住文化が、ZEH普及のために毀損されようとしていると言える

 

のかもしれません。

 

 

先進的な技術であるZEHを一過性のものに終わらせることなく日本に根付かせるためには、

 

伝統的な「住文化」に「技術」をなじませていく不断の努力が不可欠なようです。

 

 

(写真) ハイデルベルク城の、組積造の小さな「窓」

 

 

 

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