空調設備のダクト内を、清潔に保つことは本当に可能なのか?

 

 

 

第1種熱交換換気システムなどで利用される、送風のためのダクトシステム。温湿度や

 

清浄度を調整した空気が内部を流れ、所定の量だけ居室に分配、供給することで室内の

 

空気環境を整えてくれる優れものです。

 

 

通常は床や天井など建築の躯体内部に隠蔽されているため、その内部を観察することはでき

 

ないのですが、ダクトシステムを採用した住宅の普及が進むにつれて、ダクト内のホコリや

 

カビなどを原因とする健康リスクが取りざたされるようになってきました。

 

 

年間を通して窓開け換気が可能な期間が短い北欧などでは、定期的なダクトシステムの

 

内部清掃を義務付けている国もあるほどです。

 

 

日本のように湿潤な気候区分にある地域では、内部に埃などの栄養分が一旦入り込むと

 

常在菌やカビの発生原因ともなることから、ダクト内部のメンテナンスは必要不可欠と

 

言っても過言ではないでしょう。

 

 

近年ではダクトを使用しない換気システムも開発され、ドイツをはじめ欧州では普及も

 

進んできているようです。

 

清潔な空気環境を整え維持するための機械設備が、逆に健康リスクとならないよう、

 

設備の選択時には常時メンテナンスの容易さにも十分に配慮したいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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機械換気をしても、基準を上回る就寝時の二酸化炭素濃度。

 

 

 

 

 

2003年7月の「改正建築基準法」の施行によって必要換気量が規定され、住居では換気

 

回数0.5回/h以上、その他の居室(学校や事務所建築を含む)では0.3回/h以上の機械換気が

 

事実上義務づけられました。

 

 

しかし、建築基準法で定められた必要換気量と、二酸化炭素やホルムアルデヒドなど室内

 

汚染物質の濃度に関する指針との関係は必ずしも明確であるとはいえず、ましてやこれが

 

個別の室内空気質を保証するものでないことはいうまでもありません。

 

 

二酸化炭素の定量法を発見したPettenkofer(1818-1901)は、室内の二酸化炭素濃度が

 

700〜1,000PPMになると居住者は不快を訴えはじめる、という学説を世界で初めて提示

 

したことで知られています。

 

 

この成果は日本の建築基準法をはじめとする多くの基準で引用され、二酸化炭素濃度は

 

室内空気の汚染度の尺度の一つとして長く用いられています。

 

 

6畳間の寝室を閉め切った状態で建築基準法が規定する前述した量の換気を行なった場合、

 

8時間後の二酸化炭素濃度は2,600ppmと環境基準を大きく超過します。10畳間で二人が

 

就寝した場合も、ほぼ同様の結果となるのです。

 

 

二酸化炭素濃度が基準を超過しただけで直ちに健康被害があるわけではありませんが、

 

室内の空気質が低下していることを定量的に把握でき指標なのです。

 

 

近隣の状況や気象条件に左右されるものの寝室は締め切りではなく、窓あるいは隣室との

 

扉を開け放って就寝したいものです。

 

 

 

 

 

 

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睡眠時の空気環境が、健康リスクを高める可能性がある。

 

 

換気によって室内の二酸化炭素濃度や浮遊粉塵量を減少させると知的生産性が向上する、

 

という研究が注目を集めています。近年では、睡眠時の空気環境も健康と無関係ではない、

 

と考えられるようになってきました。

 

 

昼間に酷使された免疫系の修復には、良質な睡眠が欠かせません。

 

 

睡眠時の空気環境が睡眠の質に影響を与え、結果として健康リスクを高める結果となる

 

ことが懸念されているのです。

 

 

アレルギー性の疾患を抱える人が半数を占める、と言われている現代社会。

 

 

閉め切った寝室はカビやダニ、寝具からのホコリなどが舞いやすく、二酸化炭素濃度や

 

VOCなどの濃度も高くなりがちです。

 

 

夜中から朝にかけての就寝時間帯は、鼻炎や喘息などのアレルギー症状が悪化する傾向が

 

高くなります。空気清浄機などを利用して室内の浮遊粉塵量を減少させることで良質な

 

睡眠が得られ、結果として免疫機構の活性化が期待できるということです。

 

 

 

 

 

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Lesson 47 消臭スプレーで、部屋の空気はキレイになるか?

 

 

空気質の実態調査に伺うと窓を閉め切り、基準を大きく上回る二酸化炭素濃度の教室で

 

一生懸命に勉強する小学生に出会い、いつも心苦しく思うのです。おそらく閉め切った

 

教室の空気が、汚染されていることに気づいていないのでしょう。

 

 

外から帰ったら手洗い、ウガイ、そして窓空け換気の励行を!

 

 

生活環境の変化といえばそれまでなのかもしれませんが、窓を開放して換気を行う習慣が

 

失われるにつれて、空気の質に無頓着な人が増え続けているような気がしてなりません。

 

蒸し暑い電車の車内でも、窓を開けましょうと声がけをする機会もなくなりました。

 

窓を開放できない建築の増加が、これに拍車をかけているのかもしれません。

 

 

 

 

空気質の改善には、第一義的に汚染を感じ取る人間の感覚の敏感さが不可欠です。

 

窓を開け放って新鮮な空気を吸った時の開放感や清涼感をいつも身近に感じることで、自然に

 

空気質への感覚は研ぎ澄まされるのですから。

 

 

 

 

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Lesson 46 天然素材の壁で、知的生産性は向上する!

 

 

 

今回は「睡眠の質」の向上や「知的生産性」の向上と密接な関係が指摘されるようになってきた

 

『壁の材質』について考えてみることにしましょう。

 

 

 

 

 

「ビニールクロス」が、室内の粉塵飛散の原因になっている?

 

日本では、新築や改築を問わず住宅の壁仕上げの主流が「ビニールクロス」であることは、

 

これまでにも何度か取り上げてきました。

 

 

原料のポリ塩化ビニールは耐水性(水分を通さない性質)や電気絶縁性(電気を通さない性質)

 

などに優れるという特長を持っているのですが、住環境の視点から見ると時としてこれらが

 

デメリットとして働くこともあるのです。

 

 

空気が乾燥してくる冬場には絶縁性が高いビニールクロスには静電気がたまりやすく、衣服や

 

寝具、カーペットなどから出た繊維のクズやダニの死骸、皮脂の汚れやフケなど、いわゆる

 

生活埃が壁に付着しやすくなってしまいます。

 

 

空気中の塵埃量が多くなるとアレルギー性の疾患リスクが高まるばかりでなく、免疫の回復や

 

自律神経の維持に不可欠な「睡眠の質」を低下させる可能性が高まるのです。

 

もちろん、翌日の知的生産性にも影響を与えることは容易に予見できますね。

 

 

 

(写真)ビニールクロスは静電気を帯びて、冬場は埃が付着しやすい!

 

 

 

漆喰など「天然素材」の壁が、室内の空気質を劇的に改善する!

 

漆喰や無垢の木材などは絶縁性が低いので、静電気が発生してもすぐに放電しますから壁で

 

埃が成長することも抑えられ、結果として空気質も改善されることになります。

 

また、吸放湿性能に優れた天然素材は、一年を通して過度な乾燥や結露を防止する役割も

 

果たしてくれる優れものなのです。

 

 

 

天然素材の壁が、知的生産性を向上させるという研究成果が公表される!

 

慶應義塾大学 理工学部の伊加賀俊治教授らの研究グループは「週刊文春:2018.10.18号」の

 

誌上で内装仕上げ材料の種類が知的生産性の高さに及ぼす影響について、大変興味深い研究

 

成果を公表しました。

 

 

「翌日の単純・創造作業は『天然素材』の部屋に宿泊した学生が最も成績が良く」

 

「偏差値でいうと”9くらいの差」(かっこ内原文)が実験結果から確認できたというのです。

 

 

『天然素材』の部屋で睡眠するだけで、翌日の知的生産性が大幅に向上するという、

 

新たな知見の水平線を切り開いたことに、心からの敬意を表したいと思います。

 

 

 

(写真)天然素材の「エコナウォール 」が、知的生産性の向上にも貢献します!

 

 

 

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Lesson 45 #ZEH を流行で終わらせないためには、何が必要か?

 

 

高断熱住宅の普及に加えて、地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点からも、その推進

 

が期待されている「ZEH」。今回はZEHの現場でどのような問題が取りざたされているのか、

 

考えてみることにしましょう。

 

 

高性能な住宅建設の好循環を生む「ZEH」。普及のためのハードルは?

 

「健康・快適」や「資源・エネルギー」など、住宅のウエルネス向上に貢献すると期待される

 

ZEH。いい事尽くめで、すぐにでも普及しそうなZEHですが、初期費用など経済的な

 

理由に加えて、その普及にはかなり高いハードルがあるようです。

 

 

 

 

 

 

ZEHのために狭小化された開口部は、日本の住文化を守れるか?

 

ZEHの建設では一次エネルギー消費量を削減するために、外皮性能の大幅な高性能化が

 

義務化されています。もちろん断熱性能の向上のためには費用がかかりますので、これを

 

圧縮する目的で相対的に断熱性能が脆弱な「窓」の面積を小さくした住宅がどんどん

 

増えていると言うのです。

 

 

もともと軸組工法の特徴を生かして開放的な「間戸」を設け、自然の変化を身近に感じ

 

ながら生活を営んできた日本人の持つ住文化が、ZEH普及のために毀損されようとしている、

 

とも言えるかもしれません。

 

(写真)首里城の和室と縁側

 

 

建築は「フィルター」と「シェルター」の異なる機能で構成される。

 

以前にも述べたように「まど」は外界と室内環境をつなぐ情報の「フィルター」の役割を

 

担っています。「まど」は生活に必要な外界の情報を、必要なぶんだけ透過する事で、室内に

 

良質な刺激を与えてくれるのです。壁や床、屋根などの建築躯体が外界の変化を遮断して、

 

居住者に安心感を提供する「シェルター」の役割を担っているのとは好対照です。 

 

 

 

 

室内に自然な光や風などの変化を取り込み、時間の流れや外界の変化を知らせてくれるのは

 

「まど」の大切な機能の一つです。また視線や眺望を得ることで自然や周囲環境と「ツナガル」

 

ことができるのも「まど」のおかげでしょう。

 

 

眺望をアクティブにコントロールして、「ツナガル」家づくりを。

 

ZEHの普及に伴って、減り続けてている開口部の面積。

 

そして外界の刺激を取り入れながら精神的な活動を豊かにしていきたいという住要求の高まり。

 

伝統的な住文化を未来へと継承してくれる革新的な窓システム開発が、これら問題に解決を

 

与えてくれる日も近いのかもしれません。

 

 

(写真)テラスの坪庭を中心に繋がる視線 (SUDOホーム:MCH24)

 

 

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Lesson 44 #住宅 の #健康リスク には、#地域間格差 が存在する?

 

 

 

 

今回は冬季の4大疾病による死亡率の地域間格差に関する研究成果をもとに、温熱環境と

 

健康リスクとの関係について再考してみたいと思います。

 

 

室温が16℃以下で、呼吸器疾患のリスクが高い地域は「西日本」に多い。

 

冬季に死亡率が上昇する心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患は冬の三大疾患としてよく知られ

 

ています。これらに加えて急激な血圧変動に起因すると考えられる二次的な死亡原因として、

 

溺死・溺水が挙げられます。

 

 

 

 

これら4大疾患による冬季死亡率の地域間格差を、既往の研究成果をもとにグラフ化して

 

示してみました。寒冷地である北海道の厳寒期死亡率を基準にすると、比較的温暖と言われる

 

地域の死亡率が非常に高いことがわかります。

 

 

特に呼吸器疾患による死亡率は地域格差が大きく、近畿、北陸及び四国の死亡率は北海道の

 

5倍を超過しています。英国保健省の環境基準では「呼吸器疾患に影響の出る室温」を16℃

 

と規定していますので、これらに地域では冬季間の室温が16℃以上に維持できていない

 

可能性がありそうです。

 

 

CPA発症リスクを放置して、住宅の「安全性確保」はできるか?

 

下に住宅のウエルネスの構造を再掲してみました。これまで災害の発生時でも人命を

 

守るために最低限必要な性能を「安全性の確保」と定義して議論を進めてきましたが、

 

重大な健康被害のリスクを低減するための環境保持は「健康・快適」の創出と同次元で

 

議論しても良いのでしょうか?

 

 

 

 

冬型の心肺停止事故が、北海道よりも温暖地で多発する理由は?

 

以下に心肺停止状態で緊急搬送された高齢者数の、単位人口当たりの比率に関する研究成果を

 

都道府県ごとに示して比較しました。

 

 

室温が12℃を下回ると心疾患リスクは高まることを合わせて考えれば、CPA発生件数が高い

 

地域では室温が12℃よりも低下する時間帯があるか、寒い場所が住宅内に存在していることに

 

起因していることが容易に予見されるのです。

 

 

 

 

健康リスクの排除は、幸福な人生にとって不可欠な条件ではないのか?

 

健康寿命を延ばすために適度な運動を励行し、摂取する食物を吟味して選択している人は

 

少なくありません。しかし、室内環境が原因となる健康リスクの高い住宅に暮らす限り、

 

いつ重大疾病を発症してもおかしくはないのです。

 

 

  

 

 

 

断熱性能は「省エネ基準」から「健康基準」へと、評価指針を転換しませんか?

 

住宅のウエルネス向上は、社会保障費を不必要に増大させてしまう可能性もある

 

「冬型の健康リスクを住宅から排除する」ことから始めたいものです。

 

 

 

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Lesson 43 災害時でも、人命を守る住宅に必要なものは? #健康 #住宅

 

 

 

台風や集中豪雨による大規模な災害が頻発した、2018年の日本列島。

 

北海道でも観測史上最大となる大地震で土砂災害や地盤の液状化が起き、尊い人命や貴重な

 

財産が失われました。さらにブラックアウトによる広域停電が発生して被害は拡大し、

 

基幹産業を含む生活全般に深い傷跡を残しました。

 

今回は災害発生時に建築に期待される機能ついて議論してみたいと思います。

 

 

 

 

全ての人が幸福を追求できる住宅を、どう「ツクル」か?

 

ウェルネス(wellness)には種々の定義があるようですが概ね「健康であることを基盤とした

 

人生の幸福最大化に関わる希求」という解釈がもっぱらかと思います。

 

 

病気(illness)ではない状況としての健康(health)とは一線を画す概念で、住宅建築に対して

 

新しい道標を指し示すものと言えるでしょう。

 

 

前述したようにウェルネスを下支えしている機能が「安全性の確保(Resilience)」である

 

とすると「建築が原因の病気や怪我を防ぐ」という全ての機能は、ここに包含されるべきだと

 

考えられます。

 

 

 

 

 

もしも厳冬期にブラックアウトが起きて、暖房が使えななくなったら!

 

災害大国日本では、地震による二次的な被害を可能な限り抑制するためにも、深刻な事態を

 

想定した備えが常に必要になります。ここでは、住宅の安全性を担保してくれる「断熱」の

 

役割を、簡単な計算を使って考えてみましょう。

 

 

 

危機的な状況を緩和するために必要な、住宅の断熱性能とは?

 

2018年9月の北海道大地震では広域停電の解消までに3日を要しましたが、厳冬期にブラック

 

アウトが起きて暖房できなかったとしたら、住宅の室温はどのくらいまで低下してしまうの

 

でしょうか? そして、被災者の健康への影響は?

 

 

 

 

無断熱住宅では、暖房しないと初秋でも呼吸器疾患のリスクが高まる。

 

英国保健省の指針によれば、室温が16℃を下回ると呼吸器疾患に影響が出始めるとされて

 

います。無断熱の住宅で室温が16℃まで冷え込むのは、平均外気温13℃の日に相当します。

 

日較差が10℃だとすると最低気温が8℃、最高気温が18℃の日です。驚くべきことに無断熱

 

住宅ではまだ初秋の外気温でも、暖房をしなければ呼吸器疾患に影響を与える可能性がある

 

ということです。

 

 

 

断熱改修を急いで、環境弱者を死亡リスクから救い出そう!

 

災害時に過酷環境が生じた場合、一番初めに健康被害が及ぶのは、ご長寿さんや乳幼児など、

 

いわゆる「環境弱者」です。全国には2,500万戸にも及ぶ無断熱住宅が存在し、そこでは

 

日々の生活が営まれています。建築の専門家は寒冷による健康リスクに対応するためにも、

 

住宅や避難場所の断熱改修の普及に早急に取り組まなくてはいけないのです。

 

 

 

 

 

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Lesson 42 屋根の断熱不足が「睡眠の質」を低下させる。

 

 

 

2階にある寝室や子供部屋が深夜になっても暑くて、ぐっすり眠れない。翌朝もスッキリ起きられない。

 

夏型の睡眠不足に悩む方は意外に多いようです。今回は住宅の2階がとりわけ暑くなる原因と、その対処方法について考えてみることにしましょう。

 

日射を受けた屋根から侵入した熱が「睡眠時熱中症」の原因になる。

 

木造住宅の最上階の天井(多くは2階ですが)と屋根の間の空間を小屋裏空間といいます。屋根の断熱が不十分な住宅では、日中の日射熱で小屋裏空間の温度が 60〜70℃ にも達することも珍しくありません。

 

 

小屋裏空間にたっぷりと蓄えられた熱は夜になっても2階の天井を温め続け、徐々に室内へと流れ込んできます。冷房の冷たい風と天井からの照り返しが同時に存在するという非常に不快な環境が夜通し続くと、寝苦しくて「睡眠の質」はますます低下してしまいます。

 

断熱性能の低さが健康を阻害し、空調エネルギーを増大させる。

 

木造住宅に比べると熱容量が大きいマンションなどの最上階では蓄積される熱量も多いので、夜の室温が高く推移しがちですからこの問題は特に厄介です。

 

 

ここで住宅の断熱性能と体感温度との関係について考えてみましょう。

 

上の図は気候区分ごとに定められている断熱性能の指標、UA値の基準と体感温度の関係を示しています。横軸は外気温度で、体感温度は日射によって温められた建築躯体の影響も加味して計算してあります。

 

本州の東京以西の地域が属する5〜7地域の断熱基準はUA=0.87 [W/m2/K]です。図から、外気温が25℃の夏日に冷房をしたとしても、晴れていれば日射の影響で体感温度が26℃を上回り、不快に感じる始めることがわかります。

 

一方で北海道レベルの断熱基準 UA=0.46 [W/m2/K]まで断熱を強化すると、猛暑日でも体感温度は26℃以下に保つことができますので「夏の暑さ対策」にも「住宅の断熱強化」が有効であることがわかります。

 

エアコンの使用だけでは、防ぎきれない体感温度の上昇。

 

日射が窓を通して室内へと自由に侵入すると、床や家具にも大量の日射熱が蓄えられることになりますから、健康室温の維持はさらに難しくなります。エアコンを利用する場合でも遮熱効果の高い日よけの利用は必須と言えるでしょう

 

環境弱者を住宅内での熱中症から守るためには、以下の4項目が必須です。

 

  1 エアコンの適切な配置と利用

  2 屋根や外壁の断熱強化

  3 外付けブラインドなどの日射遮蔽装置の利用

  4 温湿度計などによる室内環境の可視化

 

年々増える続ける「住宅内熱中症」とりわけ「就寝時熱中症」の患者数。

住宅の睡眠環境の改善は、まだまだ不十分なようです。

 

 

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Lesson 41 夏季の室内は、25〜27℃ (50rh%)に維持しよう。

 

 

今回は酷暑の続く日本の夏をテーマに、健康の維持と知的生産性の向上という異なる視点から「夏のかしこいクラシ」について考察してみます。

 

寝室は28℃ (50rh%)、執務室は26℃ (50rh%)以下に維持しよう!

 

下着程度のごく軽度の着衣(0.4clo)で横臥している時でも室温28℃、相対湿度50%以上になると暑く、発汗による体温調節が始まります。就寝時の寝室の室温は28℃が上限と考えられます。また、テレワークなどで自宅就労をされる場合や、子供の学習環境では活動量がもう少し上がりますから(1.0〜1.2 met)室温はさらに低く調整する必要があります。室温26℃程度、相対湿度50%が上限となるでしょう。

 

 

 

室温が28℃以上になり発汗が連続して起こるような状況は、無意識のうちに自律神経が亢進しますから、人体には大変なストレスがかかることになります。このような環境下で就寝しても「睡眠の質」の低下は避けることがでません。睡眠時にのみ活性化する免疫系の修復・再生、人成長ホルモンの分泌にも大きな影響を与えますので注意しましょう。

 

最近では「省エネのため設定室温を28℃にしましょう」といったスローガンを、環境省も広告しなくなりました。知的生産性の維持、向上を目指すならクールビズ・スタイル程度の着衣量でも室温の上限は26℃ (50rh%)であり、これ以上の室温では作業能率、延いてはGDPが低下するからです。

 

 

エアコンの設定温度を28℃に設定していたとしても、住宅の断熱、遮熱性能やエアコンの冷房能力の影響を受けて、実際の室温が設定温度になっていない住宅が多いようです。温湿度計は常に身の回りに置いておき、周囲環境を量として把握することを心がけましょう。

 

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