Lesson 42 屋根の断熱不足が「睡眠の質」を低下させる。

 

 

 

2階にある寝室や子供部屋が深夜になっても暑くて、ぐっすり眠れない。翌朝もスッキリ起きられない。

 

夏型の睡眠不足に悩む方は意外に多いようです。今回は住宅の2階がとりわけ暑くなる原因と、その対処方法について考えてみることにしましょう。

 

日射を受けた屋根から侵入した熱が「睡眠時熱中症」の原因になる。

 

木造住宅の最上階の天井(多くは2階ですが)と屋根の間の空間を小屋裏空間といいます。屋根の断熱が不十分な住宅では、日中の日射熱で小屋裏空間の温度が 60〜70℃ にも達することも珍しくありません。

 

 

小屋裏空間にたっぷりと蓄えられた熱は夜になっても2階の天井を温め続け、徐々に室内へと流れ込んできます。冷房の冷たい風と天井からの照り返しが同時に存在するという非常に不快な環境が夜通し続くと、寝苦しくて「睡眠の質」はますます低下してしまいます。

 

断熱性能の低さが健康を阻害し、空調エネルギーを増大させる。

 

木造住宅に比べると熱容量が大きいマンションなどの最上階では蓄積される熱量も多いので、夜の室温が高く推移しがちですからこの問題は特に厄介です。

 

 

ここで住宅の断熱性能と体感温度との関係について考えてみましょう。

 

上の図は気候区分ごとに定められている断熱性能の指標、UA値の基準と体感温度の関係を示しています。横軸は外気温度で、体感温度は日射によって温められた建築躯体の影響も加味して計算してあります。

 

本州の東京以西の地域が属する5〜7地域の断熱基準はUA=0.87 [W/m2/K]です。図から、外気温が25℃の夏日に冷房をしたとしても、晴れていれば日射の影響で体感温度が26℃を上回り、不快に感じる始めることがわかります。

 

一方で北海道レベルの断熱基準 UA=0.46 [W/m2/K]まで断熱を強化すると、猛暑日でも体感温度は26℃以下に保つことができますので「夏の暑さ対策」にも「住宅の断熱強化」が有効であることがわかります。

 

エアコンの使用だけでは、防ぎきれない体感温度の上昇。

 

日射が窓を通して室内へと自由に侵入すると、床や家具にも大量の日射熱が蓄えられることになりますから、健康室温の維持はさらに難しくなります。エアコンを利用する場合でも遮熱効果の高い日よけの利用は必須と言えるでしょう

 

環境弱者を住宅内での熱中症から守るためには、以下の4項目が必須です。

 

  1 エアコンの適切な配置と利用

  2 屋根や外壁の断熱強化

  3 外付けブラインドなどの日射遮蔽装置の利用

  4 温湿度計などによる室内環境の可視化

 

年々増える続ける「住宅内熱中症」とりわけ「就寝時熱中症」の患者数。

住宅の睡眠環境の改善は、まだまだ不十分なようです。

 

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所

 


Lesson 41 夏季の室内は、25〜27℃ (50rh%)に維持しよう。

 

 

今回は酷暑の続く日本の夏をテーマに、健康の維持と知的生産性の向上という異なる視点から「夏のかしこいクラシ」について考察してみます。

 

寝室は28℃ (50rh%)、執務室は26℃ (50rh%)以下に維持しよう!

 

下着程度のごく軽度の着衣(0.4clo)で横臥している時でも室温28℃、相対湿度50%以上になると暑く、発汗による体温調節が始まります。就寝時の寝室の室温は28℃が上限と考えられます。また、テレワークなどで自宅就労をされる場合や、子供の学習環境では活動量がもう少し上がりますから(1.0〜1.2 met)室温はさらに低く調整する必要があります。室温26℃程度、相対湿度50%が上限となるでしょう。

 

 

 

室温が28℃以上になり発汗が連続して起こるような状況は、無意識のうちに自律神経が亢進しますから、人体には大変なストレスがかかることになります。このような環境下で就寝しても「睡眠の質」の低下は避けることがでません。睡眠時にのみ活性化する免疫系の修復・再生、人成長ホルモンの分泌にも大きな影響を与えますので注意しましょう。

 

最近では「省エネのため設定室温を28℃にしましょう」といったスローガンを、環境省も広告しなくなりました。知的生産性の維持、向上を目指すならクールビズ・スタイル程度の着衣量でも室温の上限は26℃ (50rh%)であり、これ以上の室温では作業能率、延いてはGDPが低下するからです。

 

 

エアコンの設定温度を28℃に設定していたとしても、住宅の断熱、遮熱性能やエアコンの冷房能力の影響を受けて、実際の室温が設定温度になっていない住宅が多いようです。温湿度計は常に身の回りに置いておき、周囲環境を量として把握することを心がけましょう。

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所


Lesson 40 「住宅内熱中症は」、水分補給では予防できない!

 

 

秋には豊穣の実りをもたらしてくれる夏の日差しや暑さも、対応の仕方を一つ間違えれば命取りになりかねません。特に温冷感覚が鈍ってきたご長寿さんや、暑熱からの回避行動を自ら取ることが難しい乳幼児など、環境弱者の被害が後を断ちません。今回は熱中症と室内環境との関係を正しく理解して適切な対応が取れるように、夏の暑さ対策についてもう一度考えてみました。

 

 

 

室内の温湿度管理が、死亡リスクを低減させる唯一の方法。

 

住宅内で熱中症が疑われる状態になり緊急搬送された人のうち「冷房が停止中であるか冷房が設置されていない室内にいた」割合が90%にものぼる、という驚くべき報告があります。エアコンからの風が直接、しかも恒常的に体に当たるのは不快なものですが、冷房の停止と死亡リスクの相関関係を考慮すれば冷房の適切な使用が命を守る近道であることは明らかで、蒸し暑い日には冷房の利用を躊躇してはいけません。

 

室内にいても適切な温湿度管理がされていなければ、熱中症を防ぐことはできないのですから。

 

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所


Lesson 39 「調湿建材」を科学してみよう。

 

夏のジメジメや、冬のカラカラをコントロールして、部屋を快適にしてくれる「調湿建材」。

壁面の結露を防止したり、低減してくれる効果もあります。

 

どうして「調湿建材」の性能を評価する必要があるのでしょうか?

 

珪藻土や竹炭のような多孔質材料は空気中の水蒸気を細孔に取り込んで吸着したり、部屋が乾燥すると再び部屋へと放散する能力があります。これを物理吸着と呼んでいます。また紙おむつの材料として使われている高分子ポリマーは、化学吸着によって自重よりも多くの水分を保持する性質を持っています。

 

これらの無機物や有機物を利用して、室内の水蒸気を自然に吸着・放散しながら相対湿度を調整する機能を持たせた建材が調湿建材です。でも吸着できる水分量は使用する材料の種類や量によって異なりますので、その性能を比較したり設計に取り入れるためには調湿性能の定量的な評価が不可欠になります。

 

左官材の吸放湿性能は、調湿材の混和量で設計できる!

 

下図は有機系の調湿材を左官材に混和して、吸放湿率を測定した結果を示しています。漆喰などの左官材には調湿性能があると言われていますが、ここで使用した漆喰(ブランク)は調湿性能判定基準を満たすことができませんでした。

 

 

テストチャンバーで確認できた調湿建材の能力。

 

実際の住宅で調湿建材の効果を確認する前に、断熱材で作ったテストチャンバーの内側に調湿建材を貼り付け、お湯の入った容器を中に入れて湿度の変化を観測しました。比較の対象にしたのは一般的な住宅で広く使われているビニールクロスです。

 

ビニールクロスで仕上げた箱は湯の入った容器を入れた直後から相対湿度が急激に上昇して、前面に設けたアクリル板が結露してしまいました。一方、調湿建材を施工した箱では放散した水蒸気が調湿建材に吸収されるため、湿度の上昇も緩慢でアクリル板に結露が生じることはありませんでした。

 

省エネルギーでパッシブな調湿を可能にする「調湿建材」を使って部屋の快適性を持続的に高めていく取り組みは、健康を志向するこれからの住宅づくりにマッチした技術であると思います。

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所

 


Lesson 38 「表面結露」を科学してみよう。2

 

「結露防止技術の最前線」というコラムの中で、ガラス窓の下部にラジエータを設置する方法について紹介したのですが、もう少し詳しい情報が欲しいというご意見がありましたので、ここで補追しておこうと思います。

 

羽毛のようにフワフワと舞う、浮力噴流の魅力。

 

周囲より温度が高く密度が低い流体は、浮力が駆動力となって上昇を始めます。この流れを浮力噴流といいます。また、上昇し始めた時の運動量がほぼゼロの浮力噴流は、挙動の特徴から特別にプルーム(plume)と呼ばれています。

 

   

 <写真1>ガラス面に付着して上昇するプルーム

 

タバコの先から立ちのぼる紫煙はプルームの代表格。最初は筋状に立ちのぼる煙(層流)は、ある高さまで上昇すると渦ができ始め(乱流)周囲の空気を巻き込みながら温度差がなくなるまで上昇を続けます。喫煙習慣を肯定する意図はありませんが、観察してみるとタバコの煙も案外美しいものです。

 

Buriの形状母数との出会い。

 

浮力噴流がガラスの表面で冷却されて境界層内部に圧力差が生じるとき、噴流は上昇限界点に達して壁面から剥離することは理論的に予見できました。しかし乱流境界層の剥離現象に関する研究は非常に少なく、それからは剥離現象を説明する論文検索に明け暮れます。インターネットのなかったこの時代、図書館にこもって文献の検索をしていた時に、1931年にチューリッヒ大学に提出されたA.Buriの学位論文と出会います。これがBuriの形状母数:Γとの出会いです。拡大管流れの剥離現象に関するBuriの研究成果を参考に、プルームの剥離現象に関する理論解析を始めることになりました。

 

 

剥離高さをデザインして、システムを最適化するということ。

 

恩師がエアコンなどで生じた冷噴流の付着到達距離を理論的に解明した、この分野の権威であったことも私にとって大変な幸運でした。研究を開始してから2年後、剥離高さが下の母数:Λで表現できることをようやく突き止めたのです。

 

 

<写真2> ピクチャーウインドウに設置されたラジエータ

 

ライト・アーキテクチャーの勃興に伴ってますます隆盛を極めるガラス建築ですが、この研究成果が外皮性能に弱点をもつガラス建築の室内環境の改善に資することを心から願ってやみません。

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所

 

 


Lesson 37 「表面結露」を科学してみよう。

 

「表面結露」はどのように進行するのか。

 

朝起きてみると掃き出し窓がひどく結露していて床にまで結露水が溜まっていた、という経験はないでしょうか?

でも結露を発生直後からじっくりと観察した、という人も少ないのでは?

 

ガラスの表面が露点以下にまで冷えてくると表面はうっすらとくもり始め、だんだんと透明度が下がってきます。

さらに時間が経つと小さな水滴が発生し始め、近隣の水滴が集合して水滴の直径が徐々に大きく成長していきます。

 

水滴が付着限界まで成長するとやがて滴下が始まり、ガラス面に付着している結露の量は平衡状態になります。

でも結露は止まったわけではなく、結露量と滴下量が等しくなったにすぎません。こうして床に水が溜まっていくのです。

 

 

「表面結露」と対流現象のアナロジー。

 

対流熱伝達と物質伝達の間にはアナロジーが成立するという「ルイスの関係」を仮定すると、問題は比較的容易に説明できるかもしれません。ガラス表面の自由対流現象はこれまで数多くの研究成果が発表されていますので、実験値の評価もしやすいからです。

 

下の図は27℃、60RH%に保たれた人工気象室内に、7℃の金属板を静置したときの表面結露量の実測結果です。

実験開始後80分の間は経過時間に比例して表面の結露量が増加していることがわかります。

80分後には1平方メートル当たり40 [g]もの結露水が表面に付着していました。

「結露」対策は、原因を取り去ることから。

 

結露の発生原因については以前にも議論しましたが、一般的にはガラス窓や窓枠の断熱性能が不足して表面温度が低下することにあります。結露対策をするとしたらデフロスターで乾燥させるよりも、結露させない家づくりをすることの方が大切だといえそうです。

 

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所


Lesson 36 「乾燥」が引き起こす疾患やアレルギー。

 

空気の乾燥によって、人間の防御機能が低下する。

 

室内の相対湿度が低下すると、呼吸器官の粘膜が乾燥してしまいます。

粘膜は人体を感染から防御する機能を持っていますので、乾燥によって風邪の原因菌やインフルエンザなどのウィルスが体内に入りやすくなるのです。つまり室内の乾燥によって、呼吸器疾患への感染リスクが高まるということです。

 

冬に風邪やインフルエンザが流行するのは病原菌が冬に増えるだけでなく、空気の乾燥によって人間の防御機能が落ちることも要因の1つと言えそうです。

上図は北海道の住宅における冬季居住環境の実測調査の結果を示しています。

暖房によって室内の温度は健康領域に維持されているものの、相対湿度は快適範囲の下限である40%以下に。

室内の乾燥が進む「過乾燥」が生じていることがわかります。

北海道の住宅は断熱技術の発達でヒートショックの予防は万全でも、乾燥による健康被害への対策は十分とはいえないようです。

 

インフルエンザ・ウイルスが弱体化する環境は?

 

全米空調学会 ASHRAEは「室内有害物質と相対湿度の相関」(図3)をTransaction(1985)に掲載しました。相対湿度を40~60%に保つ事でウイルスなどへの感染やゼンソクの予防、カビの発生抑止などができるという画期的な知見です。

現在でも湿度管理の重要性とその効果を定量的に示した情報として、また環境維持の指針としてこの図が世界的に活用されています。

 

室内が「乾燥」してしまう原因と、その対策は?

 

室内空気の湿度管理の重要性を、健康と快適という側面から考察してきました。

それでは住宅内の乾燥を予防する対策について議論していきましょう。

 

普及が進む高断熱住宅では壁体内の結露を防止するために、防湿層を断熱材の室内側に施工することが推奨されています。

また、建築の内装仕上げには防湿製の高いビニールクロスが用いられており、室内で発生した水蒸気はほぼ全量が換気によって屋外へと排出されます。

 

 

室内の湿度調節は、まず断熱性能を高め室内側の表面温度が露点以下になることを防ぐことから始めましょう。

また連続暖房によって室温の過度な変化を抑制することも重要になります。

 

次に室内の仕上げ材には調湿性能の高い建材を使用することです。

生活で発生した水蒸気を建材の内部に保持させて、換気による水蒸気の排出を抑制しましょう。

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所


Lesson 35 加湿器が原因でレジオネラ菌に感染。死者も。

 

2018年2月1日付の新聞にショッキングな記事が掲載されました。

 

「大分県国東市の高齢者施設では加湿器が原因で昨年12月〜今年1月に、 

80〜90代の男性3人が「レジオネラ菌」に感染、うち1人が死亡した。

今冬、インフルエンザが猛威を振るい加湿器の需要も伸びる中、厚生労働省などは

「適切に手入れをしないと集団感染につながる」と注意を呼び掛けている。

(2018.12.1 西日本新聞、記事原文ママ)。

 

危険なのは加湿器内部の細菌繁殖だけでしょうか?

 

蒸気式加湿器は水を沸騰させ加湿しますので、細菌の発生リスクは比較的低いと考えられます。

しかし室内の水分量(相対湿度)に関係なく強制的に加湿を行いますので、

過加湿(過剰な水分放散)になりやすいという欠点があります。

 

そこで、ビニールクロスを施工した室内で蒸気式加湿器を運転して相対湿度の推移を観察してみました。

 

あっという間に室内は飽和状態。窓には結露が。

 

ビニールクロスを施工した室内では、加湿直後から相対湿度は急激に上昇を始めました。

1時間足らずで室内の空気は飽和状態に。ビニールクロスの防湿性能が仇となったようです。

 

もちろん窓面は全面結露の状態です。

ガラスやサッシにもびっしりと水滴がついているのが目視でも確認できました。

壁や天井、床も結露水で濡れてしまっているのでしょう。

おそらくこれが日本の住宅の冬の結露の現状を示しているのだと思います。

 

調湿建材の使用で、室内の相対湿度は安定。自然に吸放湿。

 

調湿建材を施工した室内でも同様の測定を実施してみました。

加湿器から放散された水蒸気は調湿建材に吸収され、相対湿度の変動が緩慢になりました。

壁が余分な水蒸気を吸い取って、貯蔵する役割を果たしてくれたのです。

 

また乾燥過程でも調湿建材に取り込まれた水蒸気が室内へと再放散されますから、

相対湿度の変動は緩やかかになります。

 

機械に頼りすぎない生活習慣で自分の健康を守ろう。

 

家電商品や設備の発達で、温度も湿度も空気の質も機械任せという住宅が増えてきました。

同時にスイッチを入れたら自動的に、しかも永久に環境調整をしてくれるものと信じ込んでいる

居住者も少なくないようです。

 

しかしどんな設備でもメンテナンスが不可欠であることを忘れてはいけません。

危険はすぐそこにあるのですから、無知だったでは済まされないのです。

 

加湿器のお手入れは、できるだけこまめに行いましょう。

 

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所

 

 


Lesson 34 健康寿命は、冬場の運動量できまる。

 

社会問題として捉えられることも少なくない、ご長寿化(高齢化)社会。

間近に迫るご長寿化の進展に備え、幸福な長寿社会に課題はないのでしょうか?

 

居間が寒いと、運動の機会が失われてしまう。

 

学生さんたちと話していて「寒い家」でまず思い浮かぶのは祖父母の家だそうです。

断熱性能の低い住宅の冬の情景を思い浮かべてみてください。石油ストーブがおかれた寒い居間。

コタツでじっとしてテレビを見ている、というライフスタイルは想像にかたくありません。

 

そしてその先にあるものは?

 

 

上の図は住宅の温熱環境と居住者の歩行数の関係を調査した結果です。

居間や寝室に10℃以上の温度差(日較差)があるだけで、運動量はかなり減少することがわかります。

居間が寒いと運動量は自然と減ってしまうのです。

 

室温の低下が運動量の低下を招き、ひいては健康寿命を短くすることもあるということです。

寒さを我慢して光熱費を浮かしても医療費や介護費の出費が増えるばかりで、人生は豊かになりません。

 

意外に多い、住宅での転倒事故死!

 

内閣府が発表した「平成29年版高齢者白書」によれば家庭内での事故死者数は交通事故の死者数を大きく上回っており、転倒、つまづき、転落による死亡事故が後を絶たないようです。

 

冬季間はどうしても運動不足になり、ご長寿さんの筋力も急激に低下してしまいます。

また運動感覚も次第に麻痺しがちになりますので、ちょっとした家事をしようとした時に事故に巻き込まれることがあるのです。

 

一度寝たきりになると、自立復帰はなかなかできない。

 

家庭内の転倒やつまづき事故で一度寝たきりになると、介護なしに生きていくことは難しい。

「寝たきり期間」が3年以上に及ぶ寝たきり者の数は全体の約6割にも上り、

10年以上寝たきり方も全体の2割を超えています。

 

介護職員の定着率がなかなか改善されず、家族の介護離職や老老介護が社会的な問題として顕在化する現在。

ご長寿さんの健康寿命が格差の原因にさえなろうとしてるのです。

 

 

健康寿命を左右する室内気候はいつ準備するのか?

 

前述のようにヒートショックによる脳血管疾患や心疾患のリスクは広く知られるようになってきました。

一方、冬場の運動不足に起因した転倒事故のリスク増大に関する認知はまだまだ一般的ではないようです。

 

どうやら健康的な温熱環境づくりを考える時には、ご長寿さんになった時の自分を想像することが大切なようです。

 

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP : http://iwall.jp/

Twitter: 室内気候研究所

 


Lesson 33 「結露」防止技術の最前線。

 

住宅の断熱・気密施工の不備や弱点を顕在化させる「結露」。

 

カビや不朽菌の発生など健康や建築にとって重大な被害を及ぼす原因にもなる「結露」を防止する技術開発の最前線をのぞいてみることにしましょう。

 

放熱器からの自然対流を科学して結露防止を理論的に最適化。

 

ガラスの工業的な生産技術の開発と鉄骨造建築の融合により「ガラス建築」が隆盛を極める現代。その原点とも言えるオランジェリーやクリスタルパレスの環境創生には、ラジエーターなど自然対流・放射型放熱器が当初から利用されてきました。欧州ではセントラルヒーティングの主役は今もラジエーターで、住宅はもとより、学校や病院、ホテルや空港などいたるところでラジエーターが活躍している様子を目にすることができます。

 

<写真1 国際会議場のロビーに設置されたラジエーター(ガラス下部)>

 

室内気候研究所はラジエーターなどの自然対流型放熱器の上部に生じた自由噴流に着目し、コールドドラフトや結露の防止機構を世界で初めて理論的に定式化してラジエーターの最適設計を可能にしました。1990年代以降、ガラスの天蓋空間いわゆる「アトリウム」が全国的に流行しましたが、現在でも多くのガラス建築でこの設計理論が活用されています。

 

 

研究室レベルでは何度も実験を繰り返し、その特徴を把握したつもりでいましたが、実際の工事現場で可視化実験を実施することも。結露防止効果の確認をとおして理論の検証作業を行ってきましたが、建築現場での実験は設計理論の開発者にとって最も緊張する場面です。

 

最新技術で建築のデザインが劇的に変化していく。

 

真空ガラスやシリカエアロゲル断熱材などの新規技術の導入によってガラスの断熱性能は飛躍的に向上し、ガラス建築をはじめとしたライトアーキテクチャーのデザインは劇的に変化することになるでしょう。

 

同様に住宅建築のデザインにとって核心的な意味を持つ開口部デザインにも、新たな波が押し寄せようとしています。「ウチ」と「ソト」をあるときは遮断し、あるときは連携させる開口部。新たな定義の構築を目指して、健康環境に貢献する開口部の研究開発を継続していきます。

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/column.html

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/

 

 

 



calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

e-プラスター

blog_image blog_image blog_image

selected entries

categories

archives

links

profile

書いた記事数:222 最後に更新した日:2018/09/24

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM