Lesson 16 消えた大屋根と庇。

春には軒先の縁側で、ぽかぽかと日差しを楽しむ。

夏は庇の下や、天井の高い土間玄関で、ひんやりと涼を得る。

 

伝統的な日本家屋が持つ四季折々の原風景も、進行する住宅地の都市化と敷地面積の狭小化によって、どこか遠い昔のおとぎ話へと変化してしまいました。

 

 

先日シンガポールで蒸暑環境下における室内環境創生について議論する機会がありました。四季のない蒸暑地域では暑さ対策が最優先され、とりわけガラスの遮熱性能が重要視されることは議論の余地のないところです。

でも、快晴の日に窓辺に佇んでも全く暖かさを感じない縁側空間。これが本当に日本の住宅に求められる体験なのか、いささか疑問に感じてしまいます。

 

 

太陽の恵みと強大な力を常に感じつつ、日射と仲良く暮らしていく住まい。四季の変化に対応した日射の調整は、窓の遮熱性能だけでは実現不可能です。深い庇、葦簀やすだれ、障子や鎧戸が果たしてきた役割を、現代の建築技術はどのような機構に置き換えていけば良いのでしょうか?

 

 

常に変化する住まい手の要求。時事刻々と変化する自然環境。これらをつなぐのは、変化することができる建築以外にないような気がします。

一つの技術で全てを解決するのではなく、使い方などソフトを含めた技術の総合化がこれからの住宅建築を支えていく鍵になりそうです。 

 

 

■記事原稿の詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

☆室内気候研究所

公式HP http://iwall.jp/

 

 


Lesson 15 断熱材はどこまで厚くすれば良いのか?

GWをお楽しみのことでしょうが、今日はいささか長文です。

フル原稿は、いつものように公式HPにアップされています。

 

壁からの熱損失を少なくすると省エネルギーになるので、断熱材は可能な限り厚くするべきだ。だから断熱材が厚い方が「良い住宅」 だ。

  

一見正しく見える議論ですが、不毛とも言えるような「UA値競争」が際限なく繰り返されている現状は、健康住宅にとって本当に望ましい姿なのでしょうか。

 

ほんの50年ほど前の日本では、健康的な室内環境とは程遠い住環境が当たり前でした。そして、環境弱者である子供たちや高齢者がいつもその犠牲者です。

 

 

トップランナーと呼ばれる建築業者が作る住宅では、壁の厚さが600mm以上ということも今では珍しくありません。しかし、建築の構法や材料との整合性を取ることを前提として「美しく建てる」ことも住宅設計ではとても大切です。

 

「断熱」だけで全てが解決されると考えるのは、いささか単純すぎて危険な方向へと住宅を導くことにならないか、危惧されるところです。

 

「断熱」「蓄熱」「遮熱」技術の融合と非定常状態での総合的理解は、健康的で経済的に家族の安全・安心を守る新たな指標となろうとしているのです。

 

■詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

☆室内気候研究所

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PPH完成見学会に参加しました。

仙台市に本拠地を置く(株)北洲のハウジング事業部が開発した「プレミアム・パッシブハウス(PPH)」の記者発表会と完成見学会に参加してきました。

 

「断熱」「蓄熱」「遮熱」をテーマに、世界的な最新技術を駆使したパッシブハウス。

これまでのパッシブハウスの概念を一新するようなデザインコンセプトのもと、住み手の健康・快適を第一に、環境負荷とエネルギー消費にも配慮した近未来の住まいを提示しようとする試みが一般に公開されることになりました。

 

 

当日はこのプロジェクトに参加した世界各国の専門家も集結して、最先端技術をわかりやすく解説してくれました。

 

 

住宅の熱性能は日本の省エネルギー基準はもちろん、ドイツの「パッシブハウス」やスイスの「ミネルギー住宅」の基準もクリアして、世界最高水準を達成しています。でも注目はそのデザインです。

 

 

南面の大開口部で日射エネルギーを取り込むというパッシブハウスの趣旨に加え、通風や周囲環境との連続性にも配慮したデザインは伝統的な日本の民家の知恵を取り込んで、住みごごちの良い長く愛される自邸へと昇華しています。居住後に予定されている2年間の実測調査の結果も大変楽しみなところです。

 

 

☆室内気候研究所

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Lesson 14 北緯38°は、北国なのか?

四季折々の変化や風光明媚な景観など、南北に長く広がる日本は、世界的にみても稀有な自然大国です。

 

下図からは、仙台市が位置する北緯38度付近はヨーロッパで言えばポルトガルのリスボンと同緯度と言うことがわかります。札幌もローマとミラノのほぼ中間であり、ドイツやスイス、北欧の諸国からみればとても南方に位置しています。

 

北日本、とりわけ冬の寒さが厳しい北海道の住宅を考えるとき、北欧やドイツの建築基準が参考として取り上げられますが、太陽の位置だけを考えると北海道は欧州の南の地域とほぼ同等であるのです

 

つまり日本で住宅を考えるときには季節に合わせた日射利用の最適化が不可欠であり、「断熱」に加えて「蓄熱」や「遮熱」の技術開発がとても大切になる、ということでしょう。

 

<出展> http://takaotera.jugem.jp/?eid=1362

 

■詳細は、公式HPをご覧ください。

健康のための室内気候講座: http://iwall.jp/kenkou.html

 

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Lesson 13 暖房と冷房、エネルギーを消費するのはどっち?

「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。」

 

よく知られた吉田兼好の「徒然草」の一節は、住宅の環境創生に建築技術をどう落とし込むべきかに、多くの示唆を与えてくれます。開放系と閉鎖系の何が日本の風土に適合しているのか、といった議論も過去には話題にも。

 

高効率の冷・暖房用エアコンを容易に入手できる現代では、どのような建築を旨とすれば良いのでしょうか?

 

下図からもわかるように、那覇市以外の全ての県庁所在地で暖房エネルギー消費量は冷房を大きく上回り、住宅の空調エネルギー消費に占める暖房の割合は80%を超過しています。

 

「冬はいかなる所にも住まる」とは、創意工夫によって寒さは解決することができるということです。「出アフリカ」以来、様々な社会的適応能力を身につけてきた現代人にこそ、新たな住まい方の創生が求められているようです。

 

 

■詳細は、公式HPをご覧ください。

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