Lesson 50 汚れた空気は希釈するか、置き換えるか?

 

 

 

(写真)新鮮空気を供給するために設置された、休憩スペースの巨大なダクト。

 

 

 

汚れた空気を屋外に排出するためには、二つの換気手法があります。

 

 

一つめ方法は汚染物質で質が低下した室内の空気を、外部から取り入れた新鮮空気と混合

 

して希釈することで、汚染濃度を低減しようとする考え方です。

 

一般にこの換気方法を「混合換気」と呼んでいます。

 

 

(写真)大空間では、冷暖房と換気を同じシステムで行うことが多い。

 

 

 

でも、いくら導入する新鮮空気量を増やしたとしても汚染物質の濃度はゼロにはなりません。

 

あくまで限りなくゼロに近く低減するだけで、汚染は無くならないということですね。

 

 

 

汚染された空気と新鮮空気を、置き換えるという考え方。

 

 

 

積雪寒冷地である北海道では床下空間に新鮮空気を直接屋外から取り込み、汚染した空気を

 

居住空間の上部から電動ファンで屋外へと排出する「置換換気」システムが広く採用される

 

ようになってきました。

 

 

 

(写真)「床下集中換気システム」を採用した住宅のリビング(設計・施工:武部建設)

 

 

 

換気によって居室の温熱的快適性が低下するという「第3種換気」の欠点を解決するために

 

考案されたのが、「床下集中換気システム」です。

 

 

 

(写真)床面に設置された換気用のスリット(設計・施工:り・ぷらんにんぐ)

 

 

 

床下放熱器の放熱量を調整すれば、置換換気と同時に室内の暖房も可能になり一石二鳥です。

 

 

 

(写真)床下に設置された、外気を予熱するための放熱器

 

 

 

「混合換気」では空調用の送風量と必要換気量に10〜20倍程度の大きな差異があります。

 

「床下集中換気システム」では必要換気量と床下温度の関係から暖房量を求めることができ、

 

自然対流を利用した送風と暖房が可能になるため空調の搬送動力が不要になります。

 

 

 

(写真)床下集中換気で快適性を高めたリビング(設計・施工:北央建設)

 

 

 

つまり室内で風を感じることのない快適な暖房環境と、新鮮空気に満たされた居住域を

 

同時に生成することが可能になるわけです。

 

床下空間を衛生的に維持する必要はありますが、寒冷地の空調方式としては魅力が

 

ありそうですね。

 

 

 

 

 

■本ブログは抄録版です。

記事原稿の全文と詳細は、公式HPをご覧ください。

 

 

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建築デザインと街並み、そして住宅の熱性能の課題。

 

 

高断熱・高気密住宅がとても普及している北海道ですが、街区や景観、建築デザインに

 

関わる問題点が指摘されているようです。外皮の面積を抑えるために箱型の住宅が並ぶ

 

札幌市の新興住宅街の様子からも、その問題の深刻さが見て取れます。

 

 

 

 

 

 

以前紹介した千葉県にある建売住宅の街区の様子ですが、屋根勾配、使用する外装の種類、

 

隣棟間隔などを統一することでここの調和のある住宅のデザインが街区形成に貢献しています。

 

もちろんこちら街区も、高断熱・高気密性能は北海道並みで、価格は普及帯です。

 

 

 

 

 

さらに高性能化を進めるために、極端に窓面積の小さな住宅が増え続けている北海道。

 

 

 

 

プライバシーを守りながら日射遮蔽や眺望を実現するデザインの工夫はないのでしょうか?

 

 

 

 

もちろん敷地や建築費用の問題があるので容易に解決できないのですが、近隣との

 

関係性を適度に保ちながら、個の空間を創出する方法はいくらでもありそうなのです。

 

 

 

 

 

十分な敷地や自然環境が得られるなら、問題の解決はより容易かもしれません。

 

 

 

 

 

狭小化する都市型の敷地で、プライバシーを守りつつ近隣との関係性に配慮した住宅を

 

街区形成に配慮しながらデザインする手法が求められています。

 

 

もちろんそのベースになるのは居住者の健康と快適性であることは言うまでもありません。

 

 

 

 

 

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無農薬の蓄熱農園で、すくすく成長中です。

 

 

 

北海道はオホーツク高気圧の影響で、日照不足と低温で農業への影響が出始めています。

 

でも、少しずつではありますが、試験菜園の植物たちも成長して毎日の観察が楽しみです。

 

 

 

 

 

観葉植物として欧州に渡って拡散したジャガイモも、美しい花を咲かせるシーズンです。

 

 

 

 

まだまだ青い実ですが、ミニトマトも成長してくれていて、収穫が楽しみ。

 

 

 

 

無農薬の農園ですので、可愛らしい虫たちも遊びにやってきてくれます。

 

 

 

 

これから始まる本格的な無農薬オーガニック農法の研究開発が、今から楽しみです。

 

 

 

 

 

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LOHASな生活を支える、高性能住宅の新たな挑戦!

 

 

 

年間を通して快適な室内環境をつくり、LOHASな生活を送っていただくためには、3つの

 

技術が必要であることをお話ししてきました。

 

今回は先駆的に、これらの技術が導入された北海道の高性能住宅をご紹介しましょう。

 

 

 

【技術1】 まず「断熱」をしっかりと計画し、施工することです。

 

 

 

 

 

 

「暑さ」「寒さ」を感じることなく生活するために必要な断熱材の厚さを敷地の立地条件と

 

気候から算出してみましょう。もちろん省エネルギー基準に合致していることが最低条件です。

 

 

 

 

 

 

 

 

断熱材の厚さを決定したら、次は断熱欠損なく施工できるのか、構法の検討に入ります。

 

しっかりと施工できる断熱構法でなければ、設計上の性能を満たすことはできません。

 

 

 

 

 

 

施工が終了したら赤外線カメラを使って、熱橋がないか可視化してみると良いでしょう。

 

 

 

(画像)軸間断熱と外断熱を組合わせた高性能住宅の例(設計・施工:北央建設)

 

 

 

断熱材の施工が緻密に実施されていると、外壁面の温度はほぼ均一になり熱画像の色相

 

を見てもほとんど差はありませんね。しっかりとした計画と施工ができている証左です。

 

 

 

 

【技術 2】 夏場の暑さに備えて「遮熱」計画をしましょう。

 

冬場には嬉しい日射熱ですが、夏はそのまま室内に取り入れると暑くなりすぎます。

 

窓の外側で、しっかりと日射熱を遮断するための方策を考えましょう。

 

 

 

 

 

遮熱効果の高いネットやシートが発売され入手しやくなりましたので、建築の意匠を

 

勘案して最も適した遮熱装置を、建築時にあらかじめ施工しておくことにしましょう。

 

 

 

【技術3】 「断熱」と「遮熱」をしたら、あとは「蓄熱」をしっかりと。

 

日本の伝統的家屋をみると、茅葺き屋根のしっかりとした断熱性能と軒庇の遮熱性能が

 

備わった住宅が全国的に存在していることがわかります。また土壁や土間床が担っていた

 

「蓄熱」の性能を組み話せれば、現在の住宅でもパッシブ性能の高い住宅が完成します。

 

 

 

 

 

 

現在は大壁構法が多数派ですが、土壁に代わる潜熱蓄熱性能を持った建材も開発されています。

 

木造建築にRC建築が持つ熱容量を加えてあげれば、快適な温熱環境の出来上がりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

夏は涼しく、冬暖かな住宅は「断熱」「遮熱」それに「蓄熱」で完成します。

 

 

 

 

 

 

もちろん自然室温が快適範囲を逸脱する季節は、少しだけ空調設備の力を借りましょう。

 

こうすることで設備容量はとても小さくて済みますし、消費エネルギーも抑制できます。

 

 

 

 

 

 

パッシブ住宅づくりの基本的な技術を守り、しっかりと施工することで「LOHAS」な生活が

 

約束されるのです。

 

 

 

 

 

 

パッシブな住宅は、そこに住む人をアクティブにしてくれるものです。

 

あなたの大切な家族の健康を守ってくれるパッシブな住宅づくりにチャレンジしませんか?

 

 

 

 

 

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高断熱・高気密住宅を、見直す時期でしょう。その2

 

 

 

 

 

今や常識になった高断熱・高気密化構法ですが、いまだに基準適合の義務化すら実施されず

 

品質の確保は設計・施工を担当する事業者に委ねられているという現状に課題はないのか?

 

 

断熱水準では、国際的な規格から大きく引き離されているというのが残念です。

 

 

 

(写真)有機系断熱材による屋根断熱の提案 (独:BASF社)

 

 

 

また、年々登場する断熱材の新製品ですが、どの構法にどの商品が適しているのかといった

 

議論を耳にすることも少ないような気がします。

 

 

 

(写真)無機系断熱材「SLENTEX」による壁の外断熱 (独:BASF社)

 

 

 

日本の気候風土や法的規制を考慮しながら、その家に最もふさわしい住宅の断熱構法の選択は

 

住宅の温熱環境の改善にとって、その基礎をなすものであることは言うまでもありません。

 

 

 

(写真)パッシブ・ハウス研究所による、断熱性能のデモンストレーション

 

 

 

一方で、断熱性能の向上が目指す目標は「省エネルギー」と言う指標で語られることが多い

 

のですが、「健康・快適性」「知的生産性向上」といった新たなニーズに応えるためには、

 

どの程度の断熱性能が必要なのか、議論すべき時が来ているように思います。

 

 

 

 

 

 

 

断熱性能基準は時とともに変遷を繰り返してきましたので、そこには基準に取り残された

 

住宅ストックが、大量に存在していることも忘れてはいけないでしょう。

 

 

 

(写真)内張り構法による断熱改修の研究

 

 

 

住宅の断熱性能が劣っていることに起因した疾病の発生と、多くの環境犠牲者の存在が

 

その背後にあることを、建築技術者は責任感を持って対応していくべきでしょう。

 

 

 

(写真)真空断熱材とフローティングフロアの組合せ構法

 

 

 

1980年代のオイルショック期から継続的に発展してきた高断熱・高気密化技術は、明確な

 

目標設定に立った基準を再定義する時期に来ています。

 

 

居住者不在の議論ではなく、使う人の立場に立った検証が不可欠です。

 

 

 

 

 

 

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高断熱・高気密住宅を、見直す時期でしょう。その1

 

 

 

 

昭和55年に施行された省エネルギー基準は、現在の基準と比較すれば十分とは言えないまでも

 

日本の住宅の断熱性能を公的に規定する契機となったことは、高く評価されるべきでしょう。

 

 

 

(写真) 札幌市の住宅街に見られる、キューブ型住宅

 

 

 

 

断熱性能が冬の居住環境に大きく影響を与える積雪寒冷地、とりわけ北海道では1980年代から

 

産学官での精力的な取り組みによって、ヒートショックによる死亡事故が年々減少しており、

 

断熱の強化が「健康維持」「疾病予防」に有効であることが明らかになってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし省エネ基準は平成4年基準を経て、現在は平成11年基準が適用されているのですが、

 

その変遷を見ても日本の住環境はまだまだ発展途上であると言えるのかもしれません。

 

 

 

 

(写真)高性能住宅の熱画像

 

 

 

 

全国で日々建設されている、いわゆる「高性能住宅」の中にも、設計や施工方法に不備を抱えた

 

住宅があることが、専門家の間では広く認識されているところです。

 

 

 

 

(写真)進化をし続けている断熱構法の開発

 

 

 

 

今や常識になった高断熱・高気密化構法ですが、いまだに基準適合の義務化すら実施されず

 

品質の確保は設計・施工を担当する事業者に委ねられているというのが現実です。

 

 

真に必要な断熱の仕様を、もう一度見直す時期に来ているように思います。

 

 

 

 

 

 

 

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「断熱」「蓄熱」と「遮熱」の組み合わせで、夏を涼しく!

 

 

 

厳しい夏の暑さは、どうやって、やり過ごせば良いのでしょうか?

 

機械に頼りすぎず暑熱環境に適応した建築デザインは、伝統的な工夫の中にも垣間見えます。

 

 

 

(写真)日射遮蔽と通風を考慮した、沖縄県立芸術大学のファッサード

 

 

 

夏の暑さを防ぐためには、やはり「断熱」性能を高めていくことが基本でしょう。

 

 

高断熱・高気密化によって建築の躯体を貫流するエネルギー量を激減できるのですから、

 

あとは開口部の機能を季節に合わせて調整すれば、一年中快適な住宅ができるはずです。

 

 

夏涼しい家は、冬に暖かい家づくりと、考え方は一緒なのです。

 

 

 

(写真)ブラインドボックスをうまく処理した外付けブラインド(設計・施工:北洲ハウジング)

 

 

 

冬には日射熱を暖房に、夏には夜間の冷涼な外気を冷房に利用するための工夫もあります。

 

 

潜熱蓄熱塗り壁材は快適な室温の範囲内で熱を呼吸してくれる性能を持っていますから、

 

室温の変化を自然の力で安定させてくれる効果が期待できます。

 

 

 

(写真)室温調節機能のある蓄熱塗り壁材「エコナウォール」の施工風景

 

 

 

「断熱」をしっかりと補強すれば、日射の「遮熱」や内部取得熱の「蓄熱」が効果を発揮します。

 

これらを有機的に組み合わせて利用することが、LOHASな住宅づくりの肝なのです。

 

 

 

(写真)断熱・蓄熱・遮熱をデザインした北洲「プレミアム・パッシブハウス」

                         (設計・施工:北洲ハウジング)

 

 

 

 

体温調節の機構をもう一度振り返ってみましょう。

 

 

人間は体内で産生された熱エネルギーを外界に放散することで、体温を調節しています。

 

「寒さ」を感じると震えによってエネルギー量を増やし、「暑さ」を感じる時には、

 

発汗量を増やして熱の放散量を増加させます。

 

 

 

 

 

 

 

快適さの範囲には個人差があると言われていますが、冬の最低室温は20℃、夏の最高室温は

 

じっとしていても発汗が始まる28℃と考えることができます。

 

 

人間が快適に活動できる温度の範囲は、案外狭い範囲にあるようです。

 

 

 

(写真)植栽の日射調整を利用したパッシブハウス(設計・施工:武部建設)

 

 

 

 

「断熱」「蓄熱」「遮熱」の三つの機能を組み合わせて室内環境を調整している、

 

北海道に建設されたパッシブハウスの環境測定結果を見てみましょう。

 

 

 

 

ここでは日中の外気温度が30℃を超えるような、暑い一週間のデータを示しました。

 

初夏の北海道ですので日最高気温は高いものの、夜間はとても気温が低下して、

 

とても涼しい朝を迎えていました。

 

 

 

深い軒庇と、落葉樹の「遮熱」効果、蓄熱塗り壁材の「蓄熱」効果で、外気温度が35℃を

 

超えるような暑い日でも、室温は快適な範囲でゆったりと変動していることがわかりました。

 

 

 

(写真)冷涼な外気導入による室内予冷を実施した例(設計・施工:武部建設)

 

 

 

暑さ、寒さへの対策は、真に健康的な環境を創生するために不可欠な技術です。

 

 

古くから古民家でも使われてきた「断熱」「蓄熱」「遮熱」の工夫を、現代建築の中に

 

活かすことで、健康で快適な生活を送ることが可能なのです。

 

 

 

 

 

 

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「熱中症」の危険から身を守るのは、まず「断熱」!

 

 

 

 

消防庁の発表によれば、2019年6月3日から9日までの期間で熱中症の疑いで救急搬送

 

された人の数は、全国で1,227人だったそうです。猛暑日が続いた連休明けを含め、

 

これまでの累計数は近年にないペースで増加しており、本格的な夏の到来でさらに

 

熱中症のリスクは高まっていくものと考えられます。

 

 

 

(写真) 首里城にある、夏を旨とした伝統的な和風座敷

 

 

 

「住宅内熱中症」の発症数は、年々増え続けている。

 

 

「熱中症」とは人体が高温の環境にさらされることで発汗が連続的におき、体内の水分量が

 

減少することで熱失神や熱痙攣のなどが症状化する健康障害を指します。

 

重症化すれば致死リスクを伴う恐ろしい症状ですね。

 

 

 

 

 

 

 

上の図は熱中症死の分析結果ですが、死者の総数1,100人に対し65歳以上のご長寿さんの

 

割合は約40%と高く、しかも住宅内で「熱中症」を発症して亡くなるご長寿さんの割合は

 

80%にも達しています。「住宅内での熱中症(住宅内熱中症)」はますます増加傾向にあり、

 

住宅の熱環境調整は喫緊の課題と言えるでしょう。

 

 

 

 

(写真)日射遮蔽をした実験モジュールの熱画像

 

 

 

蒸し暑い寝室の環境が「就寝時熱中症」のリスクを高める。

 

 

近年、寝室における「睡眠時熱中症」のリクスが取りざたされるようになってきました。

 

住宅における熱中症の全死亡者に占める「就寝時熱中症」の死亡割合が40%程度にまで

 

高まっていて、夜間の環境管理の大切さが叫ばれるようになってきました。

 

 

 

(写真)暑さ・寒さを感じない、高断熱住宅の室内の様子(設計・施工:北央建設)

 

 

 

それでは夜間になっても室温が下がらない住宅は、どうして存在しているのでしょうか?

 

下の図は日本全国にある住宅ストックを、断熱性能ごとに分類して比較した図です。

 

 

驚くべきことに約80%の住宅が無断熱か、40年前の脆弱な断熱性能基準レベルにしか過ぎず

 

日射によって暖められた屋根からの熱侵入を防ぐことができていないのが現実です。

 

 

 

 

 

 

 

「就寝時熱中症」の発症メカニズムは比較的容易に理解することができます。

 

 

蒸し暑い寝室で就寝すると、体温の上昇を抑制するために自律的に発汗が助長され、

 

体内水分量が徐々に低下します。そのままの環境で就寝し続ければ水分量はさらに低下し、

 

やがて熱中症の症状が生じるのです。

 

 

就寝時熱中症の発症時間帯が明け方に多いのもこのためです。

 

 

 

(写真)古民家風のデザインを採用した娯楽施設の室内

 

 

 

人体は適切な体温を維持するために、体内深部からは外部環境に向かって常に熱が環境へと

 

放散されています。室温の上昇とともに湿性放熱の割合は相対的に増大していき、室温が

 

28℃になると多くの人は発汗し始めます。

 

 

汗は血液成分から生成されますので、発汗の進行とともに体内の水分量は減少していく

 

ことになるのです。

 

 

 

 

 

 

就寝が28℃になると、発汗が生じて「睡眠の質」を低下させる。

 

 

就寝時に発汗が続くと「就寝時熱中症」のリスクが高まるだけでなく、いわゆる「睡眠の質」

 

が低下する原因にもなります。

 

 

「ぐっすりと寝て、スッキリと起きる」ことで新陳代謝は促進し、昼間に酷使した免疫

 

システムが修復されて病気にかかりにくいカラダが再生されるのです。

 

 

 

(写真)断熱・蓄熱・遮熱でデザインしたPPHの寝室(設計・施工:北洲ハウジング)

 

 

 

 

「睡眠の質」の低下は、翌日の知的生産性の低下、食欲の減退、免疫力の低下、うつ病の

 

発症などの原因ともなりかねませんので、寝室の環境調整は欠かすことができないのです。

 

 

 

 

 

 

 

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Lesson 49 新鮮な空気は、どこから供給されるているのか?

 

 

 

 

空調用ダクトも、建築に溶け込みながら進化し続けています。

 

 

空港ターミナルや体育館、工場といった巨大な空間では空調機で温湿度や清浄度を調整

 

した空気を効率よく分配して快適な室内環境を創生するために、複雑なダクト網が

 

利用されてきました。一般的にはメッキ鋼板が、材料として利用されています。

 

 

 

(写真)プラハ国際空港の天井付近に、露出して設置されたダクト網

 

 

 

一方「オープンエアダクト」とは、管状ではなく内部がむき出しの送風ダクトのことで、

 

関西国際空港国際線出発ロビーではテフロン製の白い帆布が19本も設置されています。

 

 

(写真)関西国際空港 国際線出発ロビーの「オープンダクト」

 

 

 

吹き出し口から空間へと供給された空気は付着噴流となって帆に沿って流れ、フロア内の

 

すみずみまで、まんべんなく調整された空気が行き渡るように工夫されているのです。

 

 

 

(写真)空調の吹き出し口と「オープンダクト」の配置の様子

 

 

 

ここでは新鮮空気を届けるという役割の他に、空港を設計したイタリアの建築家レンゾ・

 

ピアノが起想した「障子のような影のできないソフトな照明」も同時に実現しています。

 

 

 

(写真)間接照明の役割も果たしている、関西国際空港のオープンダクト

 

 

目立たぬところで、快適と健康を支えてくれる空調設備のデザイン。

 

 

空気の質は命にかかわる重大事なのに、ほとんど顧みられることもない空調設備。

 

でも、無意識でいられることの幸福を、現代だから享受できるのかもしれません。

 

 

 

(写真)ホテルのロビーの床に設置された、空調の吹き出し口

 

 

私達の生活を常に見守ってくれている生命維持装置は、空間のどこに隠れているのか?

 

 

(写真)「せんだいメディアテーク」の空調吹き出し口

 

 

 

建築デザインを探索する時の楽しみが、また一つ増えそうです。

 

 

 

 

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天然素材と綺麗な空気に包まれて、熟睡しませんか?

 

 

北海道の大自然の中でひっそりと息づく「パッシブハウス」の暮らし。

 

 

敷地が持つ魅力を余すことなく享受できる家を創ることは、LOHASな夢かもしれません。

 

周囲の空気が清浄で高品位であれば、そのまま深く呼吸するだけで良いのですが・・・。

 

 

 

(写真)大自然の魅力が溢れるLOHASな住まい(設計・施工:武部建設)

 

 

 

しかし実際の住宅建築の現場では都市の狭小化した密集敷地や限られた資源の中で、

 

理想とする暮らしをどう実現していくのか?こんな課題にいつも直面してしまいます。

 

特に周囲の空気環境は立地と切り離すことができないので、深刻かもしれません。

 

 

 

 

 

人間が1日に呼吸する空気の量は食物の20倍、水の10倍にも上りますから、もちろん

 

その質に無頓着でいることはできませんね。

 

 

さらに人間の健康を左右する睡眠の質は、実は室内の空気質と密接な関係があるのです。

 

 

ぐっすりと眠り、すっきりと起床できること。健康を支える睡眠の源は、室内の空気質に

 

左右されることが、科学的にも分かってきたのです。

 

 

 

(写真)天然素材に囲まれた寝室 「プレミアム・パッシブハウス」(設計・施工:北洲)

 

 

 

室内の空気は使用している什器や衣服、人間の活動などによって常に汚染されています。

 

 

生活臭やペット臭など、空気の中にある汚染物質を天然素材の力で優しく吸着・分解して

 

くれる「空気清浄機能」のある建築材料がとても注目されている理由です。

 

 

 

 

 

 

 

 

パッシブな空気清浄機構を持つ建材は、機械式の空気清浄機とは異なりメンテナンスが

 

とても容易で、しかも電気エネルギーを消費しないLOHASな建材だと言えるでしょう。

 

 

 

(写真)蓄熱塗り壁材「エコナウォール」が、空気をきれいにしてくれる

 

 

 

人間の活動で生じる汚染物質が少なく、清浄な空気に包まれながら生活できることは、

 

健康で幸福な生活を送るための必須条件だと言えるかもしれません。

 

 

 

(写真)周囲の緑とつながる家 「季美の森」(設計・施工:SUDOホーム)

 

 

 

家族が安心して暮らし、成長していける環境を支える室内の空気質。

 

普段あまり意識していなくても、あなたと大切な家族をそっと守っていてくれるはずです。

 

 

 

(写真)天然素材の魅力を生かした、高性能住宅 (設計:フーム空間計画工房)

 

 

 

さらに最近ではAI技術の発達によって、私たちの働き方も急速に変化を遂げています。

 

天然素材の魅力を生かしながら高い空気質を維持することは、知的生産性の向上にとっても

 

とても重要であることが、ようやくエビデンスを持って認識されるようになってきました。

 

 

 

(写真)天然素材を生かした空間で、知的生産性も向上(設計・施工:SUDOホーム)

 

 

 

天然素材の持っている自然の力を利用しながら健康に暮らし、生産していくこと。

 

これからの住宅環境では、とても重要なファクターになりそうです。

 

 

 

(写真)家族が健康で幸せに暮らすためのウツワ(設計・施工:北央建設)

 

 

 

家づくりの基本は「レジリエンスの充足」が不可欠ですが、普段は気にも止ない

 

「空気質」が健康維持にとって、ますます大切になってきているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

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